「これが文化変容ってやつか!」と腹落ちした今日(その3)
日本語教員養成の授業
「日本語教育概論」
で、受講生(全員日本人)に
「1万円で服を買うとして、買うんだったら、
1.2,000円のTシャツを5枚買うか、
2.1万円のTシャツを1枚だけ買うか。」
という質問をしたところ、
今度は、全会一致で1番。
1年次留学生とは全く正反対の答え。
そこで、理由を聞くと、
「そもそもTシャツに1万円もかけるなど
考えられない。」
「5枚買って着回したほうがいい。」
とのこと。
確かに。
これにどんどん興味がわいてきた私は、
今度は、2年次留学生に聞いてみる
ことにしました。
1年次留学生は、まだ母文化の色濃い
価値観が支配的と思われ、
そのこともあって、2番と答える。
日本人学生もまた、日本的な価値観
や考え方が支配的なはずで、
そのため1番と答える。
これに対し、2年次留学生は母文化の
価値観もありながら、
日本での生活にもそこそこ馴染んでいて
日本的な価値観や考え方の影響も受けて
いると思われます。
つまり、文化変容しているのではないか。
なので、彼らがどう答えるか、とても
興味がわいたわけです。
皆さんは、彼らがどう答えると思いますか。
で、実際に聞いてみたところ、
なんと、1番の「2,000円のTシャツを5枚買う。」
日本人と同じ。
しかも、理由を聞いてみると、
「そもそもTシャツに1万円もかけるなど
考えられない。」
「5枚買って着回したほうがいい。」
これもまた、日本人と同じリアクション。
もちろん、たまたま偶然そういう学生だった
という可能性もあります。
ですが、1年前の彼らがもし2番と答える
ような学生だったとしたら、
この1年で、考え方が随分変わったという
ことになります。
知らず知らずのうちに、日本という異文化の
影響を受けているんですね。
しかも、それがファッションとかモノでは
なく、
考え方、価値観であれば、かなり深い部分に
影響しているということ。
「これが文化変容ってやつか。」
私はその時、ひどく腑に落ちたのでした。
皆さんは、いかがですか。