普段の授業が「廃話」になっていないか。(その2)
前回からの続き。
初級の文型を導入する際、現実味のない
場面設定では、そもそも使う機会がない。
そんな実用性のない授業を、前回
「廃話的な授業」
として、改善しましょうという話を
しました。
じゃ、どうすればいいか。
まずひとつは、導入する文型や表現が
現実的にどのように使われているのか、
というのをもう一度検討して、
それに沿って授業を組み立てるという
ことがすごく大事です。
例えば、時間を表す言い方にしても
「いま日本は10時ですね、ブレンダさんの国は
今何時ですか」
と聞いてみる。
ただ時計を指さして
「今何時ですか」「3時です。」
なんていう意味のない授業とは
雲泥の差ですよね。
あるいは「てあります」であれば
「来週テストがあります。掲示板に
書いてありますよ。」
というふうに実際の出来事を切り取った
場面設定や内容で提示していくということが
大事なんです。
これを本物らしさ(オーセンティック)とか
真正性とか言ったりしますが、
教室という仮想空間で行われるからこそ、
▼リアリティを追求する、
▼意味のあるコミュニケーションにこだわる
ということが大切なのです。
そして、そうした指導力を身に着けるために
大事なことは
やはり出来るだけたくさんの指導の種をもって
おくということ。
その努力を日々重ねるということが大事です。
私の通信講座「篠研の検定試験対策」でも
「言語の教育」では様々な指導法を具体的に
あげていますし、
検定対策セミナー、直近だと
圧巻!篠研の平成30年度日本語教育能力検定
試験徹底解説セミナー
https://www.kanjifumi.jp/h30tetteikaisetsu/
でも、試験問題を通じて、具体的な指導方法を
私自身の経験も交えてご紹介していますが、
そうした機会を利用しながら、
「これは授業で使えるな」
というネタを増やしていく努力が必要になって
くるわけです。
これこそが、【教師力の底力】
自分の授業の中で「廃話」がないか、もっと
真正性の高い授業が出来ないか
振り返ってみてはいかがでしょうか。