「看板が立つ」は「看板を立てる」。じゃ、「子どもが立つ」は?
動詞の自他の勉強。
例えば、「立つ-立てる」を使って
動詞の自他の指導をしたとします。
動詞の自他の指導は、だいたい初級の
後半で行うことが多いです。
その際、「立つ-立てる」のように
自動詞-他動詞のペアをセットにして
提示すると、学習者はわかりやすい。
このように、自他のペアを持つ動詞の
ことを【有対自他動詞】といいます。
そこで、例えば「立つ-立てる」なら
以下の例文が考えられますね。
1)看板が立つ。
2)(私が)看板を立てる。
こうやって、ペアを示すと学習者は
自動詞、他動詞の概念が理解しやすい
のです。
すると、動詞の自他を学習した学習者が、
どこからか、
3)子どもが立つ。
という例文を持ってきて、「私が子どもに
立つという行為をさせる」という意味の文を
作ろうとして、
先の1)、2)と同じように、
4)私が子どもを立てる。
という文を作りました。
この文、おかしいですよね。
正しくは、
4’)私が子どもを立たせる。
です。
この場合は、他動詞ではなく、動詞の使役の形を
使わなければなりません。
でも、その時、学習者がこう質問してきました。
「先生、いつ他動詞を使って、いつ動詞の使役の
形を使いますか。
どっちも、『私』が相手に働きかけるという
意味ですよね。」
確かに!
さて、あなたならどう答えますか。