「ちょっと」はちょっとどころの騒ぎじゃない。
日本語の副詞は「品詞のごみ箱」と言われるほど
多種雑多な語彙で構成されています。
もちろん、
「活用をせず、用言(動詞、イ形容詞、ナ形容詞)や
副詞を修飾する機能を持った品詞」
という共通の性質はありますが、その修飾の仕方が
バラエティーに富んでいるんですね。
通信講座「篠研の検定対策」の「No.010 品詞概論」
で詳しく解説していますが、
副詞には、動きや状態の様子を表し分けるあり方の
副詞と、
各文法カテゴリーに関係する、テンスの副詞、アス
ペクトの副詞、モダリティの副詞、とりたての副詞
などがあります。
そんな中、用法が多岐にわたるため学習者にとって
理解が難しい副詞に「ちょっと」があります。
基本的には数量や程度が低いことを表すことから
「ありかたの副詞」に分類されますが
(例:召し上がる前にちょっと塩を振ってください。)、
気軽に行動する様子を表す用法(例:ちょっと試して
みよう。)や、
程度がかなり高いことを強調する用法(例:どうだい。
俺もちょっとしたもんだろう。)、
さらに、打消しとともに用いられ、可能性がない様子を
表す用法(例:(道を聞かれて)ちょっとわかりません。)
などがあります。
指導の際には、学習者の日本語のレベルや理解度に
応じて1つずつ提示していきます。
検定試験にも出題されたことのある語彙ですので
一度用法を辞書等で確認しておくといいでしょう。
「ちょっと」といっても、ちょっとやそっとでは
片付かない、なかなかの副詞なんですね。