「そもそも文法とは?」に立ち戻り基本概念の定義を言語化する。
日本語文法の最新かつ最もまとまったシリーズといえば、
日本記述文法研究会『現代日本語文法』くろしお出版
のシリーズ。
このシリーズは、まさに現代日本語文法のスタンダード。
シリーズ全巻読破すれば、文字通り日本語の文法は
完璧です。
日本語教師を続けるのであれば、このシリーズは
必携ですね。
そして、その第1巻
『現代日本語文法1 第1部総論 第2部形態論』
http://urx2.nu/tquM
この本の第1部総論は、文法の基本概念である
文法の規定
文の分類
文の基本構造
文法カテゴリー
文の成分
について、1から丁寧に解説しています。
言い換えれば、
そもそも文法って、何なんだ。
そもそも文の単位って、何なんだ。
そもそも文にはどんな種類があるんだ。
そもそも単文・複文って、何なんだ。
そもそもヴォイスって、何なんだ。
そもそもテンスって、何なんだ。
そもそアスペクトって、何なんだ。
そもそもモダリティって、何なんだ。
そもそも述語って、何なんだ。
そもそも主語って、何なんだ。 などなど。
という根本的なところをしっかり解説している
んですね。
実は、こういう部分をしっかり押さえ、
理解し、
自分なりにその定義を言語化できるということは
日本語文法を理解するうえでとっても大事です。
「テンス?なんとなくわかる。」
そういう方が時々いらっしゃいますが、
そんなレベルでは、まったく話になりません。
なぜなら、こうした基本概念が文法論の
議論の出発点だから。
土台がしっかりしていなければ、
いくら知識を増やしても、後々必ずひずみが
出てくるんですね。
そして、そのひずみが表面化したら、
また一から知識の積みなおし。
まさに
「もと直からざれば、末直からず。」
なんです。
日本語教師を目指している方の中には、
「日本語文法が苦手。」
という方か少なからずいらっしゃいますが、
そういう方の多くは、おおもとの基本概念の理解、
そして、その定義の言語化ができていないことが
多いようです。
「複文って、何ですか。」
と質問しても答えられないんですね。
逆に、こうした基本概念をしっかり理解し、
その定義をしっかり言語化できれば、
(=インテイクに落とし込めていれば)
日本語文法の知識をいくら頭に突っ込んでも、
整然と、かつ安定的に広がっていきます。
応用力が身につくだけでなく、
「基本でここまで応用できるんだ!」
ということがわかって、文法がますます
おもしろくなります。
そうなったら、もうこっちのもんですね(^_^)
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基礎固めセミナー
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東京:3月9日(土)・10日(日)
大阪:3月23日(土)・24日(日)
福岡:4月6日(土)・7日(日)
では、この辺りの基本的なところをしっかり
押さえます。
現場に立てばわかりますが、
日本語文法は、指導の大きな柱です。
当然、文法に関する質問も学習者からたくさん
寄せられます。
文法に関する知識が、日本語教師力の要といっても
過言ではありません。
来年度に向けて、今のうちに文法の基礎を固めて
おくことをお勧めします。