ベトナム人学習者に対する効果的な発音指導法。

読者の方から、以下のようなメールをいただきました。

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初めまして、K・Tといいます。

メルマガ配信ありがとうございます。

この度、ベトナムからの実習生へ日本語を教える
ことになりました。

彼らにとって、苦手な発音があるようです。

篠研先生の今までのメルマガ、その他の情報発信で、
発音に関する情報がありましたら、
教えて頂きましたら幸いです。

よろしくお願いします。

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なるほどぉ~。

 

そこで、過去の「日々成長」でベトナム人学習者の
発音指導を扱った回があったか調べたところ、

 

ありました!!
しかも、3件!!

 

2015年6月6日配信のvol.205
2015年11月11日配信のvol.256
2015年11月18日配信のvol.261

 

それでは、3件続けて再掲しますね。

参考になさってください。

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vol.205

ベトナム人学習者の鼻音がかった発音を直す方法。
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「ベトナム人学習者の発音を何とか直せないものか。」

という方、いらっしゃいませんか。

かくいう私も、日本語学校に勤務していた時、
ベトナム人学習者にも日本語を教えていたのですが、
発音指導にはずいぶん苦労しました。

なかなか紙面でお伝えしにくいのですが、
ベトナム人学習者の話し方というのは、

「んにゃんにゃ、んか゜んか゜。」

という感じ。

つまり、

全体的に鼻音がかっている。

もう呼気を鼻から抜くのが癖になっているんですね。
(ベトナム語が基本そうならしかたがない。)

では、どうしたらいいか。

要は、鼻から息が漏れないように
トレーニングすればいいんです。

具体的には、

1.鼻から息を抜くのではなく、口から息を出すように、
鼻を指でしっかりつまんで発音練習する。
2.鼻に息が来ているのを感じなくなったら、手を離して
通常通りに発音してみる。

ついでに、鼻が高くなったらめっけもの。(^_^)

発音矯正は、声を出す筋肉の動きを矯正する
ものなので、

すぐに改善するというものではありません。

これは、スポーツのフォームの修正と同じ。

なので、少しずつでもいいので、
毎日継続的にトレーニングする必要があります。

ですが、しっかりやれば変わりますよ^^

ぜひ、やってみてください。

 

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vol.256

「44」を「ジョンジュウジョン」と発音するベトナム人学習者に対する指導法。
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さて、先ほどのS.K様からのご質問。

ベトナム人学習者に対する日本語指導といえば、
何をおいても発音指導ですよね。

中でもタイトルにある誤用は、代表的な誤用の1つです。

本メルマガ読者の方々の中にも、こうした誤用の
指導でお困りの方が多いのではないでしょうか。

以下、S.K様からのご質問と私のご回答です。

======ここから================

■ご質問■

メール配信ありがとうございます。
在ベトナムの私にとってとても貴重な情報をいただきました。

私は、先生の「おかしな例文の発音練習」をネットで
偶然に見つけて、手を打って喜びました!

教室で使わせていただいてもよろしいでしょうか。

(ちなみに、おかしな例文の発音練習はこちら。
http://www.kanjifumi.jp/koneta/koneta15.htm)

そして、今私の頭を悩ませているのは、ベトナム人の
妙なイントネーションの日本語と、やはり、発音です。

発音については、 「ヨ」の発音が「ジョ」になることです。
例えば、数字の「44」は、「ジョンジュウジョン」。

何か、よい解決方法があるでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

■お答え■

ヤ行をジャ行と言ってしまうのは、舌が上がりすぎて
呼気の通りを狭めた結果、呼気が摩擦してしまうことが原因です。

従って、舌を上げ過ぎないようにすることが大切です。

これについては、下記書籍に指導法が紹介されています。

『音声を教える (国際交流基金日本語教授法シリーズ2)』
https://amzn.to/2CR5hTS

まず、具体的には、口の中の力を抜いて、まず[ i ]の音を出します。
[ i ]の舌の形を覚えるために、しばらく[ i : : : : : : :]と
伸ばして言うといいでしょう。

その後、 [ i::::::::: ]の音の後に母音[ a ]の音をつけます。

[ i :::::::a ][ i ::::a ] [ i::a ]のように少しずつ
[ i ]と[ a ]の距離を縮めていき、最後[ ja ] と発音すると
うまく発音できるでしょう。

「ユ」「ヨ」も同様にするとうまく言えると思います。

======ここまで================

 

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vol.261

ベトナム人学習者に対する発音指導の成功例。-読者の方からのお便りより。
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本メルマガvol.256で、

ベトナム人学習者に対する発音指導に関する
読者の方からのご相談と、それに対する私の
お答えをご紹介いたしましたが、

相談者のS.K様より、実践報告をいただきましたので、
ご紹介します。
(S.K様、ありがとうございました。)

======ここから==================

篠崎先生

ベトナム人の「ヤ」、「ユ」、「ヨ」の発音で
ご指導いただきましたS.Kです。

ご報告が遅くなって失礼しております。

「i」の発音で舌の形を整えて、それぞれ「a」、「u」、
「o」につなげていく方法は、それまで下を向いていた人も
眠そうにしていた人も皆さんニコニコとして楽しそうでした。

クラスはとても盛り上がりました。
集中度はいつもの倍でした。

・発音練習は成功です。おかげさまで皆さんはきれいに
発音しました。

・次に、「ヤ」の付く言葉、「ユ」の付く言葉、「ヨ」の付く
言葉を出させました。

一斉にその語を発音します。

「ジャ」とか「ジュ」とか「ジョ」も混ざってきます。

・一番言いにくそうにしていたのは、やはり「ヨ」だと思います。
「ヨッカ(4日)」、「ヨウカ(8日)」、「ヨジ(4時)」、
「ヨウジ(用事)」など出て来て、

これは、先生の「夫と弟とおっとー」に当てはまる、おもしろい!
と私も楽しみました。

・次にそれらの言葉で短文作りをしました。

短文作りでは皆さんの緊張も解けたようで、いつもの摩擦音が
多く聞こえてきました。

発音嬌声をしているのに間違いが出て来て、しめしめと喜んで
しまいました。

・そして、翌日の発音練習は、先生の「ユーモア発音」の真似を
させていただいてて珍作を作り、言わせてみました。

「郵便局、4時に用事が8つと4つ」

みなさんはけっこう楽しそうでした。

・その後、ある生徒が何やら書いて、これを言ってみろと言うの
です。

「すももも ももも もものうち」。

・で、私はまた翌日、先生の「ユーモア発音」で強烈な仕返しを
しました。

20人のクラス全員が、私の方をまっすぐ向いて笑っていました。

おかげさまで、とても楽しい授業になりました。
ありがとうございました。

私はまだ新米日本語教師ですから、わからないことがたくさん
あります。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

======ここまで==================

> 集中度はいつもの倍でした。

素晴らしいですね。爽快!

こういうことがあるから日本語教師はやめられませんよね。

> 発音嬌声をしているのに間違いが出て来て、しめしめと喜んで
> しまいました。

学習者の誤用に「しめしめ」と思えるようになったら
もう一人前です(笑)

> 「郵便局、4時に用事が8つと4つ」

思わず大爆笑してしまいました。
(この例文が一番の用事だわ(笑))

> で、私はまた翌日、先生の「ユーモア発音」で強烈な仕返しを
> しました。

この仕返し(笑)も素晴らしいですね。

日常業務に振り回されていると、
どうしても忘れがちになりますが、

ユーモアや冗談を言う心のゆとりって、
実はとても大切だと思います。

また分からないことがあったら、ご相談くださいね。

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参考になりましたか。

いろいろ試してみてくださいね(^_^)


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