時代の流れを的確につかみ、先回りして準備する。
昨年末の入管法改正で、
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1.在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」の創設
2.出入国在留管理庁の設置
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が決められたことは、
日本語教育と産業界が結びつく大きな契機になると
考えられること、
そして、そのビジネスチャンスにうまく乗るためには、
日本語教師個人においても、
他業種、他業界の人ともビジネスパートナーとして
きちっと立ち居振舞えることが必要であることを
お話いたしました。
一言で言えば、ビジネス感覚を持つという
ことですね。
また、
今後、在留外国人数がさらに増加するに伴って
さまざまなタイプの学習者群が、それぞれ独自の
マーケットに成長するということ、
もご指摘いたしました。
今日はその続き。
学習者の多様化は、実は私が大学院生だった
20年以上も前から言われてきたことです。
ですが、留学生以外、今まではマーケットが小さ
かったために、なかなかビジネスにまで成長できず、
そのため、彼ら(労働者、外国人児童生徒など)に
対する日本語教育は、多くがボランティアや素人に
よって支えられているといった状況でした。
それが、今後は留学生はもとより
▼技能実習生
▼ビジネスパーソン
▼介護士・看護師
▼外国人児童生徒
▼配偶者
▼短期滞在者
▼その他生活者
などが、それぞれ独自のマーケットを形成し、
それぞれが独自のビジネスとして日本語教育が
行われていくと考えられるのです。
ところが、ここで大きな問題があります。
それは、日本語教師のほうがその大きな変化に
ついていけていないということ。
言い換えれば、学習者タイプ別の指導方法がまだ
日本語教育界で十分共有されていないという
ことです。
無理もありません、今まで主な就職先と言えば
日本語学校だったわけですから。
だから、教師養成講座の実習でも、基本的には
日本語学校生(=留学生)への指導を前提に行わ
れてきましたし、今もおおむねそうです。
(よくてALT、生活者かな。)
でも、それでは今後日本語教師としての行動範囲が
どんどん狭くなってしまいます。
しかも、今後日本語学校の存在感は少しずつ
下がっていくことが予想されますので、
なおのこと、さまざまなタイプの学習者に対する
指導法を身につけておく必要があるんですね。
私が、昨年の9月と12月に小山暁子さんとのコラボ
セミナー
「ビジネスパーソンに対する日本語教育
-働き方の選択肢を増やそう!-」
を開催したのも、
(また、今年もやりますよ!あっ、動画販売はしません。)
また、今年の3月に堀久乃さんとのコラボセミナー
「技能実習生に対する日本語教育
-外国人労働者大量採用時代に備えよう!-」
https://www.kanjifumi.jp/hori_seminar/
(残席あります。)
を開催するのも、こうした背景を踏まえて
さまざまな指導方法を共有する場を作り、
日本語教師の活躍の場を広げたいという
考えが私の中にあるからなんですね。
ところが、
「そうは言っても、目の前の授業の準備に
手いっぱいで、とてもそこまで頭が回らない。」
という方もいらっしゃるかと思います。
実際、
「初級の授業準備が大変すぎて、身が持たない。」
という方もいらっしゃる。
そこで、3月にこんなセミナーを実施することに
しました。
篠研の日本語の教え方ワークショップ
「初級文型導入の授業準備を短縮する方法
-まずは1時間以内、そして30分、最速10分」
https://www.kanjifumi.jp/bunkeitansyuku/
(残席4です。)
このように、実は全部つながっているのです。
いずれにしても、時代の流れを的確につかみ、
その先に先回りしてしっかり準備した教師だけが、
「知的に輝く日本語教師ライフ」
を享受できるのではないか。
そのように思うのです。