さりげない褒めで、学習者と信頼関係を築く。
私は、授業運営で気をつけていることが2つあります。
1つは、適度な緊張感を作ること。
第1回目の授業で、学習者に舐められまいと思うあまり、
あまりに厳しい雰囲気を作ってしまうと、
当然のことながら学習者は萎縮してしまいます。
かといって、学習者と仲良くなりたいと思うあまり
あまりにフレンドリーに接してしまうと、
今度は逆に、調子に乗って学びに集中しようとしない。
なので、萎縮せずかつ調子にも乗らない
適度な緊張感を作るということが、
特に、授業の最初は大事です。
そしてもう1つは、初めにさりげなく学習者を
褒めること。
コースの最初というのは、学習者も教師を
どんな人物かしっかり見ています。
もっといえば、
「私たちを認めてくれる人か、
それとも認めてくれない人か。」
ここでもし、「認めてくれない人」という
評価を受けてしまうと、
この後ラポール(信頼関係)を築くのが
なかなか難しい。
そこで、
本格的に授業は始まって、学習者に文を書かせたり
発話させたりしたときに、
例えば、
「〇〇さん、字がきれいですね。」
「〇〇さん、漢字の書き順が正しいですね。」
「〇〇さん、意外と発音上手ですね(笑)。」
とさりげなく褒めるわけです。
そうすると、
学習者の緊張した表情が、いい感じに
一気に変わります。
不思議なことに、褒められた学習者だけでなく、
周りの学習者も態度がいい感じにかわります。
なぜなら、学習者は、
「この先生はちゃんと認めてくれる。」
というふうに感じるからです。
そうすると、
学習者は、もっと褒められたいと思って
ちゃんと勉強するようになるし、
例えば、いつもと違って字が汚いとき、
「おっと、○○さんらしくないねぇ。」
というと、学習者も素直に受け入れ、
直そうとします。
そうしたやり取りを小まめにしていけば
学習者ともいい信頼関係が築けると思います。
ポイントは、
学習者をちゃんと見て、本当にいいと思った
ところを褒めること。
ウソは絶対ばれます。逆効果です。
人に認められたいという気持ち。
これを「承認欲求」といいます。
最初にしっかり承認欲求を満たしてあげて
みてください。
いいクラスになると思いますよ。