自作試験問題に思考の偏りがないかチェックする。
日本語教育の現場では、定期試験など各種自作の
試験問題をつくることがあります。
文法問題や語彙問題など、レベルや出題範囲などを
考えながら1問1問考えるというのは、楽しくもあり
また、悩ましいものでもあるんですね。
ただ、その際注意したいのは、自作の試験問題の
問題文に、思考の偏りがないかということです。
というのも、問題文をねん出する時、往々にして
趣味とか、生活習慣とか、普段気になっていること
といった、
作成者の生活感が出てしまうからです。
人間の発想には、どうしても一定の偏りが
あるんですね。
その結果、作成した問題文を改めて見てみると、
「あれ、問題文がいつも日本語の勉強の話に
なっている。」
とか、
「うっかり油断すると、いつも問題文にラーメン
が出てくる(←これ、私(笑))
とか、
「よく見ると、問題文がどれもこれもネガティ
ブな内容(爆)」
ということになってしまうのです。
以前、私がとある年配の先生に中上級の日本語の
文法問題の作成を依頼したところ、
返ってきた問題に思わず吹いてしまいました(笑)
(下線部分が問題の解答)
1.目がかすむやら腰が痛むやら、年はとりたくない
ものだ。  ̄ ̄  ̄ ̄
2.手帳に書いたにもかかわらず、妻の誕生日を忘れ
てしまった。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
思わず、
「先生、さすがに読んでて寂しくなります。」
と突っ込んでしまいました(笑)
とはいえ、作っている時は締め切りを睨みながら
必死で作っているので、とかくそこまで考えが
及ばないもの。
だからこそ、問題文を作った後、しばらく時間を
おいて、改めて見直すということが大事なのです。
あるいは、他の方に一度目を通してもらうという
ことも有効ですね。
私の知り合いの日本語教育で超有名な先生も、
書籍の原稿を書き終えたら、
3か月間まったく見ずに寝かせた上で、3か月
後に改めて校正するのだそうです。
プロ中のプロですら、そうなんですね(^_^)
自作試験問題に思考の偏りがないかチェックする。
わりに大事なことなので、頭のどこかにおいて
おいてくださいね。(自戒も込めて)