検定試験出る問シリーズ(10)-口腔断面図の見方(2)。
前回に引き続き、
「口腔断面図の見方」
第2回目の今日は、
「舌の形状。」
です。
繰り返しになりますが、
口腔断面図を見るポイントは、主に以下の3点です。
(1)口腔断面図を見るポイント
1.口蓋垂が鼻腔への通り道を塞いでいるか否か
2.舌の形状
3.両唇が開いているか否か
本来は、さらに声帯が震えているか否かも関係する
のですが、検定試験ではそこまでは問われません。
以下、それぞれのポイントについて解説しましょう。
■舌の形状■
舌の形状とは、舌が上あごのどの位置にくっつ
いているか、ないしは近づいているか、
つまり調音点はどこで、調音法は何かということです。
上あごは具体的には、
口蓋垂、
軟口蓋、
硬口蓋、
歯茎硬口蓋(歯茎寄りの硬口蓋の部分)、
硬口蓋歯茎(硬口蓋寄りの歯茎の部分)、
歯茎
を指します。
ただし、歯茎硬口蓋と硬口蓋歯茎は
かなり位置が近いことなどから、
書物によっては一括して後部歯茎
という名称を使っているものも
あります。
舌が上あごにぎりぎり近づいてくっついて
いない場合、
狭い通り道を呼気が通って摩擦を起こすため
摩擦音です。
また、舌が上あごにくっついている場合、
口蓋垂が鼻腔への通り道を塞いでいれば、
くっついた直後に舌がパンと弾けるので
破裂音、
口蓋垂が鼻腔への通り道を塞いでいなけ
れば鼻音となります。
また、舌が上あごのどの部分にも近づいて
いない場合は、
その子音は口腔内ではないことを表します。
例えば、パ行音の子音[p]は、調音点が
両唇になるため、舌は上あごには近づき
ません。
舌の形状、すなわち調音点と調音法は、
子音を特定する極めて重要なポイント
ですので、
しっかりマスターしてくださいね。
通信講座「篠研の日本語教育能力検定試験対策」
http://www.kanjifumi.jp/become/distancelearning/
の講義資料
「No.015 日本語の子音とその周辺」
では、
上記内容を、口腔断面図を交えながら、
分かりやすく、かつ詳しく解説しています。
口腔断面図を克服すれば、試験II問題3が
一気に
>>得点源<<
になります。
もちろん、学習者に音声指導する際にも
この口腔断面図での説明は有効です。
「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分。」
頑張ってくださいね。