タイ(バンコク)レポート(3)-授業スキルは文脈提示力が肝。
冒頭でご紹介したタイ語のナチュラルアプローチ
での気づき。
それは、
「授業スキルは文脈提示力が肝」
だということ。
ここでいう「文脈」とは、
「その語彙や文型、表現を使わざるを
得ない状況。」
あるいは、
「その語彙や文型、表現の意味を示す
非言語情報。」
とでも言えばいいでしょうか。
特に直接法による授業の場合は、学習者に
かなりの類推を要求するわけで、
言葉の意味を直感的に理解できる文脈を
タイミングよく提供するような授業を実践
すれば、
ストレスがなく、逆に知的な快感を感じる
学習者にとっていい授業になるに違いあり
ません。
例えば今回のタイ語の授業でも、
教師がホワイトボードにササっとイラストを
描いたり、
オカマのジェスチャーをしてみたり、
黒いサングラスをかけて「ギャング」である
ことを示したり、
日本地図やタイの地図を示したり、
笑ったり、神妙な顔をしながら話したり。
さまざまな非言語手段を使って、言葉の
意味だけでなく、
今話している話がおかしな話なのか
シリアスな話なのかも含め、
さまざまな手段方法で文脈を提示して
いました。
なので、タイ語学習歴ゼロの私でも
だいたい何の話をしているのか理解する
ことができたわけです。
翻って、自分の授業を振り返ったとき、
私たちは、得てして導入文型や新出語彙
・表現をダイレクトに言葉で説明しようと
しがちですが、
まずは、その言葉の意味が分かるような
文脈を提示し、
その文脈に言葉を乗せるように提示すれば
学習者の理解はスムーズに進むのではないか
と思います。
この辺りが、熟達した教師とそうでない
教師の差かなと思います。