タイ(バンコク)レポート(2)-女子高生40人を束ねる指導術。
昨日の午前は、高校(男子校と女子高)に
訪問し、日本語の授業を見学しました。
使用テキストは、両校とも国際交流基金と
現地の対人日本語教師が共同で開発した、
『あきこと友だち』
というテキスト。
日本からタイの高校に留学したあきこを
主人公に、
タイの高校を舞台に繰り広げられる
ストーリー仕立てのテキストで、
タイの高校では鉄板の日本語教材のようです。
さて、最初に訪問した女子高では、
1クラス約40人程。
教師は教師歴3年の若いタイ人男性の方。
若いながら、その授業は圧巻で、40人もの
女子高生の心をつかんで離さないといった
感じ。
退屈そうにしている学生など一人もいま
せんでした。
授業の内容は、
「行きます」「来ます」「帰ります」。
この先生の授業の特徴は、TPRよろしく
言葉と動作をうまく連動させているところ。
例えば、授業の初めに
「行きます」
と言いながら、遠くを指さす動作をし、
その動作を学生全員にもさせる。
次に、
「来ます」
と言いながら、手招きする動作をし、
その動作を学生全員にもさせる。
女子高生も面白がってするわけです。
今度は、先生は「行きます」「来ます」
「帰ります」という言葉だけを言って
学生に動作をさせる。
40人もいれば、最初1人2人間違える
学生もいるのですが、
それがかえって笑いを誘い、授業が
どんどん楽しくなるんですね。
で、今度は、先生は動作だけをして
学生に動詞を言わせると。
そうやって、動作と動詞を連動させることで
飽きずに楽しく、そして定着率のいい授業を
実践なさっていました。
授業後、その先生曰く、
「ただテキストのタスクをこなすだけの
授業をしてしまうと、学生はすぐに
飽きてしまいます。
ですが、いろいろと体を動かすアクティ
ビティを盛り込めば、学生は最後まで
飽きずに授業に取り組みます。」
とのこと。
また、
「本校は、他校に比べて日本語の授業時間数が
少ないです。
ですので、言葉や文法の知識は事前に予習
させておき、
授業では、できるだけコミュニカティブな
活動や知識の定着のための活動をやるよう
にしています。」
とのことでした。
国内の日本語教師の方からは、よく
「20人ものクラスを束ねるのは大変。
からならず誰かが寝てたり、スマホを
いじったりしている。」
といった声を聴くことがありますが、
「いやいや、海外では教師歴3年の若手先生が
女子高生40人をしっかり束ねて授業なさって
いるんですよ。」
という話。
言葉と動作を連動させる活動を盛り込むと
もっと授業が活性化するかもしれません。
参考にしてくださいね(^_^)