試験勉強しているのに成果があがらない本質的な理由(その2)。

「検定試験の勉強をしているのに
成果がなかなか出ない。」

という場合の理由について、前回から
お話ししています。

 

今回は、その続き。

 

成果が表れない可能性のもう1つのケースは
勉強の仕方が間違っているということ。

 

しつこいようですが、大事なことなので
もう一度言いますね。

 

例えば、参考書に書いてあることを、ただ字面
だけ読んで内容を吟味せず、

ひたすらキーワードの暗記に没頭する勉強は、
間違っています。

では、「正しい勉強」とはどのような勉強なのか。

 

そのヒントとして、先日基礎固めセミナー動画をご購入
いただいたN.R様のご感想メールをご紹介いたしましたが、

分かりましたか。

 

大きなヒントはこの部分です。

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検定問題の解き方、出題背景、授業へのもって
いき方

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つまり、問題の裏にある「理屈」「根拠」「理由」
「前提条件」にまで深掘りして理解するということが、
非常に重要なのです。

 

例えば、検定試験の参考書に、

「初級では、直接法で授業を行うのが一般的
である。」

という文言があったとします。(実際よくありますね)

 

ただ字面だけ読んで内容を吟味せず、目立つ
キーワードの暗記ばかりの勉強をしている人は、

「初級」「直接法」

というキーワードだけが頭に残り、

「初級」=「直接法で授業」

となり、ついには、

「初級は直接法で授業しなければならない!」
「授業中の母語使用禁止!!」

のようになってしまうのです。

 

で、そういう方に

「どうして、初級は直接法で授業しないと
いけないんですか。」

と訊ねると、決まって言うのが、

「テキストにそう書いてあるから。」
「●●先生がそう言っていたから。」

それって、理由にならないですよね。
(聖書や教祖じゃあるまいし(笑))

 

「じゃあ、どうしてその高尚なテキストに
そのように書いてあるのですか。」

「その立派な先生は、どうしてそうおっしゃる
のですか。」

と聞くと、もう答えられないんですね。

 

思考がそこで止まってしまっているのです。

 

そのテキストや先生が悪いと言っているわけ
ではありません。

 

受け取る側の思考が止まっている点が悪い
と言っているのです。

 

ここが問題の本質です。

 

止まった思考、紋切り型の思考では、
多種多様、千変万化な現場の状況に
臨機応変に対応することはできません。

 

結果、「化石化教師」になると。

 

実は、

「初級では、直接法で授業を行うのが一般的
である。」

という場合、通常その前提条件として

・日本国内の教育機関での授業
・さまざまな母語を持つ学習者からなる
グループレッスン
・教師一人では多言語に対応できない
・分からない言葉の意味を簡単に調べられ
ない
・主教材の準拠した副教材(文法や新出語彙の
翻訳)が乏しい

というのが想定されています。

 

こういった条件がすべて揃うと、コミュニケー
ションの際、日本語への依存度が高くなって
しまいますので、

直接法で授業をせざるを得ないわけです。

 

しかしながら、上の前提条件が崩れれば、
話が変わってきます。
(というか、現実的にはそっちのケースの方が多い)

 

・海外の教育機関で教える
・学習者の母語が同じ
・プライベートレッスン
・分からない言葉の意味はスマホですぐわかる
・副教材が豊富

 

もはや、(完全)直接法で授業をするほうが
難しいのではないでしょうか。

 

「いや、日本語を言ったり聞いたりする機会を
最大にするためにも、直接法で授業をすべき。」

 

はい、もちろん日本語に触れる機会を増やすことは
大切です。

 

ですが、学習者の日本語力を超える概念や複雑な
内容を学習者に提示するときは、

日本語でぐちゃぐちゃ説明したり、わかったような
分からないような絵カードで示すよりも、

学習者の母語で示したほうが、よほど効率的で
理解も早いのです。

 

つまり、直接法で指導するのは、それが
ふさわしい環境になったときであり、

そうでないときは、ことさら直接法で教え
なければならないということはないのです。

 

このように、問題の裏にある「理屈」「根拠」
「理由」「前提条件」にまで深掘りして理解し、

そのレベルまで思考を巡らせながら検定試験の
勉強をすれば、

検定試験など全く怖くないし、現場に立っても
自信をもって教えることができるわけです。

 

実際、検定試験では、思考の止まった受験生が
陥りがちな選択肢がそこかしこに仕組まれています。

 

出題する側も、重々わかっているわけですね。

 

そうした選択肢を用意することで、思考停止
紋切り型思考を暗に戒めているのです。

 

検定試験で成果をあげるためには、

【問題の裏にある「理屈」「根拠」「理由」
「前提条件」にまで深掘りして理解する】

 

そのほうが、

「なるほどなぁ!」

と感心・感服しながら勉強できて、楽しいですよ(^_^)


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