先生、どうして漢字を勉強しないといけないんですか。
非漢字圏(英語圏)の学習者との会話。
S:先生、どうして漢字を勉強しないといけないんですか。
英語のほうが簡単でいいです。
T:あら、そう。
じゃ、これ英語でなんて書くの?
https://goo.gl/m2TAYk
S:Mountainです。
T:えっ!それ、アルファベットで何文字?
S:8文字です。
T:長っ!スペル覚えるの大変じゃん。
漢字だと「山」一文字ですむんだけど。
S:確かに。でも、逆のパターンもあります。
T:そうだね。だとすると「英語のほうが簡単」
とは言えないよね。
S:でも、漢字はいくつもの読み方があって
大変です。
「山」は「やま」もあるし「サン」もあるし。
T:そうだね。じゃあ英語はどうなの?
例えば「a」は単語によっていろいろな読み方
があるんじゃない?
S:まぁ、それは確かにそうですけど。
T:面倒だと感じるのは、漢字だからじゃなくて
知らない言葉を学ぶって、そもそもそういう
ものなんじゃないかと思うよ。
私も初めて英語を学んだ時、アルファベット
の形といい、語順といい、軽いショックの連
続だったよ。
S:そうなんですか。
英語でも、外国語として学ぶとしたら
それなりに難しいんですね。
T:そうそう。でも、そこにこそ外国語を学ぶ
意味があるわけでしょ。
だったら、むしろ違いを楽しんだ方がいいん
じゃない?
例えば、漢字の魅力の1つは何といっても
あの造形美。
さっきの「山」は、まさに山の形をかたどっ
た字なんだよ。
見れば誰でも連想できるよね。
S:ほんとだ。山の形に似ている。
T:「愛」なんてアンシンメトリーだけど、
全体としてバランスが取れていてきれいで
しょ。
しかも、字のど真ん中に「heart」の意味を
表す「心」が収まっている。
いかにも「love」だよね。
S:素敵ですね。
T:また、漢字には1つ1つ世界観やストーリー
があるんだ。
例えば、さっきの「愛」という漢字の「心」
の上の部分は、
「一生懸命考えを巡らしている頭」
をかたどったもの。
そして、その下に「心」でしょ。
そして、「心」の下のは「足」をかたどった
ものなんだ。
つまり、「大切な人・大事な人・好きな人の
ことを一生懸命考え巡らせて、心も体もその
人に向けられている。」
という状態を表しているのが「愛」という
漢字なわけ。
こんな漢字、もっと知りたいと思わない?
S:はい、知りたいです。漢字がそんなに深い
とは知りませんでした。
T:漢字の成り立ちには、人の生活や喜怒哀楽や
人生観などもあるから、ショートストーリー
を読む感覚で勉強するといいと思うよ。
S:そうですね。勉強してみます。