「一○」を、いつ「イチ」と読み、いつ「イッ」と読むか。

昨日は、

「平成29年度日本語教育能力試験徹底解説プレセミナー」

の2日目。

今日もまた、

「検定試験問題は、指導ネタの宝庫」

と思わせる内容が目白押しでした。

検定試験対策を試験合格までの短期記憶で
終わらせるのは、本当にもったいないです。

平成29年度検定試験問題の試験III問題3問3
の問題

=====================

(本文)

音韻交替には音韻的な条件によって規則的に
交替する例もある。例えば、形態素「(ア)」
の異形態「(イ)」は一定の音韻的な環境で
交替する。

問3 文章中の(ア)と(イ)に入れるのに
最も適当な組み合わせを、次の1~4の中から
選べ。

(ア)      (イ)

1  毛        /ke/と/ge/
2  一        /iti/と/iQ/
3  木        /ki/と/ko/
4  行        /gyoR/と/koR/

=====================

答え、わかりますか?

正解は2です。

「一」の読み方「イチ(/iti/)」と「イッ(/iQ/)」
は、実はちゃんと音韻的なルールにのっとって
読み分けられているのです。

試しに、「一」を「イチ(/iti/)」と読む
語彙を5こあげてみてください。

できの悪い学習者のようにすぐ答えを見るの
ではなく、

まずはご自身で5つ考えてみてください。

 

 

考えましたか?

「イチ」と読む語彙をあげると、例えばこんな感じ。

一台
一概
一枚
一期
一年

一方、「イッ」と読む語彙をあげると、例えば
こんな感じ。

一匹
一等
一般
一回
一帯

 

分かりましたか?

わからない方は、読み方をアルファベットで
表記すると、わかりやすいです。

「イチ」と読む語彙は、

一台(ichi-dai)
一概(ichi-gai)
一枚(ichi-mai)
一期(ichi-go)
一案(ichi-an)

一方、「イッ」と読む語彙は、

一匹(ip-piki)
一等(it-too)
一般(ip-pan)
一回(ik-kai)
一帯(it-tai)

分かりましたか?

つまり、「一」の直後に有声子音か母音が
来たときは「イチ」と読み、

無声子音が来たときは「イッ」と読むん
ですね。

こういう事実、日本語教師の勉強でもしなければ
きっと知らないままだったと思います。

ですが、こういう知識があれば、例えば学習者から

「先生、「一」はいつ「イチ」と読み、いつ「イッ」
と読むんですか?」

という質問を受けたときに、明快に答えることが
できるんですね。

私の検定対策セミナーが、単に試験対策だけで
終わらないということが、ご理解いただけました
でしょうか。

よろしかったら、ご利用いただければと(^_^)

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