キーワード解説「も」
これまでの日本語教育能力検定試験に出題されたキーワードを、随時解説していきます。知識の補完・整理にご活用ください。
持ち主の受身(もちぬしのうけみ)★
動作の対象が受け手の体の一部やその所有物である受身文。
間接受身文でありながら対応する能動文があること、また、主語に無生物を取らないという原則から、受身文の作り方が通常と異なる点に例外的な特徴があります。
次の例を見てください。各文のaが能動文、bが一般的なルールで作った誤った受け身文、cが正しい持ち主の受け身文です。
(1a)誰かが私の足を踏んだ。(能動文)
(1b)*私の足が(誰かに)踏まれた。(*は非文を表す。)
(1c)私は(誰かに)足を踏まれた。(持ち主の受身:体の一部)
(2a)誰かが私の財布を盗んだ。(能動文)
(2b)*私の財布が(誰かに)盗まれた。
(2c)私は(誰かに)財布を盗まれた。(持ち主の受身:所有物)
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