ハガ文（はがぶん）

ハガ構文とは、（１）のように「～は～が～だ」という形をとる構文のことをいう。

（１）象は鼻が長い。

ハガ構文を「ＸはＹがＺだ」で表すとすると、Ｘ・Ｙ・Ｚの関係によっていくつかの種類に分けることができます。

ハガ構文を「主題の『は』がもともとどんな成分だったかという、構造の面から分類すると以下になります。

1)「この本は父が買ってくれた」型―格成分・副詞的成分が主題―「～を」や「～に」のような格成分や、「きのう」のような副詞的成分、「飛んでいるとき」のような従属節が、主題の「～は」になったもの。
2)「象は鼻が長い」型―格成分の連体修飾部が主題―格成分の名詞を修飾する「～の」が主題の「～は」になったもの。
3)「かき料理は広島が本場だ」型―述語名詞の連体修飾部が主題―述語名詞を修飾する「～の」が主題の「～は」になったもの。
4)「辞書は新しいのがいい」型―被修飾名詞が主題―格成分の中の、修飾部をもつ名詞が主題の「～は」になったもの。
5)「この問題はとくのがむずかしい」型―従属節の中の成分が主題―従属節の中の成分が主題の「～は」になったもの。
6)「このにおいはガスが漏れてるよ」型―破格の主題―不必要なものが加わったり必要なものが抜けたりしているために、
どの型にも入らず、主題の「～は」がもともとどんな成分だったかがわかりにくいもの。

これらをハガ構文「ＸはＹがＺだ」から改めて考えると、

1)「この本は父が買ってくれた」型は「ＹがＸを（に）Ｚだ（父がこの本を買ってくれた。）」

2)「象は鼻が長い」型は、「ＸのＹがＺだ（象の鼻が長い。）」

3)「かき料理は広島が本場だ」型は「ＹがＸのＺだ（広島がカキ料理の本場だ。）」

4)「辞書は新しいのがいい」型は「ＹのＸがＺだ（新しい辞書がいい）」

5）「この問題はとくのがむずかしい」型は「（Ｘを（に）Ｙする）がＺだ（この問題をとくのが難しい。）

6)「このにおいはガスが漏れてるよ」型はそうした関係が見いだせないもの、ということができます。