多読教材を選ぶ時のポイント。−令和3年の出題より。
読解活動については、令和3年の日本語
教育能力検定試験で出題されています。
具体的な指導技術ですので、日本語教員
試験の応用試験でも出題される可能性が
高い内容です。
読解のタイプには、大きく
【速読、精読、多読】
の3つがあります。
よく聞くスキミングやスキャニングは
速読のためのスキルですね。
精読は、文字通り1文1文をじっくり
吟味していく読み方。
精読授業は、日本語教育ではあまり
取り上げられることがありませんが、
精読指導こそ、読解指導の神髄。
さまざまな指導の中でも、精読指導ほど
面白いものはないと、私は考えています。
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そして、最後に多読。
多読とは、こちらも読んで字のごとく、
たくさん読むことを目的とした読解活動
です。
読みやすく、理解しやすい素材を楽しみ
ながら大量に読むことで、
語彙や文法などを自然に身につけるように
することが、この活動の狙いです。
で、令和3年の問題では、この多読につい
て、多読教材を選ぶ時の留意点が出題され
ました。
この点について、
粟野真紀子・川本かず子・松田緑(2012)
『日本語教師のための多読授業入門』
アスク出版
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では、多読を効果的に進めるための
ルールとして、以下の4点を挙げています。
ルール1「やさしいレベルから読む」
ルール2「辞書を引かないで読む」
ルール3「わからないところは飛ばして読む」
ルール4「進まなくなったら、他の本を読む」
(pp.17-19)
「えっ、易しいレベルから読んでいいの?」
「えっ、分からなかったら飛ばしていいの?」
「なに?進まなくなったら、他の本に移って
いいの?」
そう思われるかもしれません。
全然大丈夫です。
多読で一番大事なことは、
「読むことを止めない。」
ということ。
読解力というのは、一朝一夕に身につく
ものではありませんし、
何か形式知(言語化できる知識)を身につけ
たら向上するというものでもありません。
読むという行為をたくさん積み上げていく
ことが重要なんですね。
そのためには、
【とにかく読み続けるためのハードルを
極限まで下げる。】
ということが重要なのです。
従って、多読教材を選ぶ際も上記のルール
に沿ったものを選ぶことが大事なのです。
この令和3年度の問題では、この他、
トップダウン処理や再話、読解テスト作成
の留意点など、
読解活動の重要ポイントが盛りだくさん。
近年の読解の問題では、非常に良問です。
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