講習IIでも出た「確証バイアス」とは?

前回のマイクロアグレッション
に引き続き、

今回は、【確証バイアス】。

この言葉もご存じでしょうか。

こちらも、登録日本語教員の経過措置
の講習IIの中でも取り上げられた
ものです。

ですので、日本語教員試験で出題
される可能性大なわけですが、

それ以上に、日常的に人の判断を
狂わせる

【思考の癖】

ですので、そういう意味でも絶対に
押さえておきたい概念です。

確証バイアスとは、

自分の考えにとって都合のいい情報
だけを集めたり注目したりする心理
現象のこと。

「ステレオタイプ」という言葉の
創始者であるジャーナリスト、リップ
マンも

「我々はたいていの場合,見てから
 定義しないで,定義してから見る。」

と言っていますが、

確証バイアスとはまさに、

「こうあってほしい。」

という欲求が先にあって、それに合う
情報を無意識に集めたり、

あるいは、そうした情報に過剰に反応
したりする現象なんですね。

人というのは、得てして、自分の考え
と異なる考えや、

自分の考えを支持しない事実には目を
向けようとしないもの。

ですが、こうなると、もう冷静で客観
的な判断はできなくなってしまったり、

視野が狭くなり、偏った考え方が強化
されたりするのはもちろんのこと、

そもそも事実誤認なわけですから、

その後の判断、行動も少しずつずれた
ものになっていくことになるのです。

「短期間に楽して日本語教員試験に
 合格したいなぁ。」

という気持ちが強く、

ネットでそのような情報を集めれば、

検索エンジンのアルゴリズムが働いて、
そのような情報が優先的に表示される。

そして、

「短期間で楽して合格できるはず。
 だって、ネットでみんなそう言っ
 てるもん。」

という確信に至る。

そんなわけないんですがね。

日本語教員試験は範囲も広いし、
合格ラインもそこそこ厳しいので、

ちゃんと勉強しなければ合格でき
ません。

そこに冷静になれるかどうかです。

そして、確証バイアスと関連した
概念に

【エコーチェンバー現象】

というのがあります。

これも講習IIで扱われていました。

エコーチェンバー現象とは、

自分と似た意見や価値観を持つ者
との交流を繰り返すことで自身の
意見が強化される現象のこと。

例えば、

「SNSはみんな私と同意見だ。」
と思う。

などがそれにあたります。

特に、SNSが生活に浸透している
今の時代にあっては、相当注意
しなければならない現象です。

例えば、昨年の日本語教員試験
の基礎試験の合格率が8.7%と
かなり厳しかったですが、

その要因の1つに、一昨年の
試行試験が易しかったという
情報が、

SNS上に広がったことにあると
私は考えています。

そういう情報が流布したことで、

「基礎試験は易しいはず。」

という認識が広がり、さほど準備
をしなかった人が、大量に受験し
た結果、

合格率8.7%に繋がったのではない
かと考えています。

実際、基礎試験は各区分で最低
6割程度の得点、

かつ総合点8割程度が必要と、
かなりのハードルを設けています。

決して簡単な試験ではないんですね。

「試行試験が易しかった。」

とSNS上にアップした方の多くは、
私が見る限り、かなりのベテラン
教師。

結果、そういう意見に引っ張られた
人の多くは不合格となり、

SNS上で、

「文科省は、本当に日本語教師を
 増やしたいと思っているのか!」

といったコメントが多く出たという
始末。

結局は、根拠のない自分の都合の
いい情報に振り回されたという
ことなんですね。

本当に気を付けてください。
(自戒を込めて)

ちなみに、この確証バイアスも
エコーチェンバー現象も、

通信講座の講義資料No.071
「異文化コミュニケーション」

で取り上げています。

今回の改訂で、私も勉強になり
ました(^_^)


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