講習IIでも出た「マイクロアグレッション」とは?

皆さんは、マイクロアグレッション
という言葉をご存じでしょうか。

これは、登録日本語教員の経過措置
の講習IIの中でも取り上げられた
ものです。

ということは、出題される可能性大
ですね。

で、マイクロアグレッションとは、

マイクロ(=些細な)+アグレッション(=攻撃)

ということで、言葉や態度による
些細な差別や偏見を言います。

デラルド・ウィン・スーはその著

『日常生活に埋め込まれたマイクロ
 アグレッション』明石書店
 https://amzn.to/4hp00nZ

で、マイクロアグレッションを以下の
ように定義しています。

「ありふれた日常の中にある、ちょっ
 とした言葉や行動や状況であり、意
 図の有無に関わらず、特定の人や集
 団を標的とし、人種、ジェンダー、
 性的指向、宗教を軽視したり、侮辱
 したりするような、敵意ある否定的
 な表現」
 (デラルド・ウィン・スー(2020)p.34)

例えば、以下のような言動がそれに
あたります。

「新入社員にしては良いこと言うね」
「障がい者なのに頑張っているね」
「背が高いね、バスケットしてたの?」
三人称として無条件に「彼」を使う
夜道で外国人を見たら避けて通る

いかがでしょうか。

「これぐらいのこと、うっかり
 やらかしているかも。」

そんな方もいるかもしれませんね。

だからこそ「マイクロ」なのです。

ですが、言われた方はやはり傷つく
もの。

ただ、マイクロアグレッションの
問題は、

言った本人は悪気があって言った
わけではない場合がほとんどで、

しかも、言われた方もそれが分かっ
ているから抗議がしにくい。

結果、言った方も気が付かずに
なかなか改善されない傾向にある
ということです。

つまり、言われる側はずっと
小さな攻撃を受け続けるということ
なんですね。

では、言う側にならないために
はどうしたらいいか。

まずは、

「自分は相手をちゃんとリスペ
 クトしているか。」

と自問自答することです。

次に、

「相手の立場や状況を理解して
 いるか。」

ということを認識することです。

もちろん、相手の立場や状況を
知ることができない場合もあり
ますから、

その時は想像することが大事。

そして、最後に大事なのは、
まずは聞き手に回ること。

自分の考えを出すより前に
相手を理解することを優先する。

そうすれば、いらぬ誤解をする
こともなければ、

不適切な発言を減らすことも
できるでしょう。

日本語教育というのは、多様な
学習者が相手。

しかも、日本語でのコミュニ
ケーションが必ずしも十分
ではないことが多い。

それだけに、小さな誤解や
誤認識が生まれやすい環境なの
かもしれません。

だからこそ、このマイクロ
アグレッションという概念は、

日本語教師にとってとても
重要な概念なのではないかと
思います。


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