類義語の違いを調べるためのオススメ辞書。
中級以上になると、特に漢字語彙が初級に
比べて爆発的に増えてくることもあって、
類義語の指導がとても重要になってきます。
類義語の違いの説明の基本は、
Aという語とBという語のそれぞれ一方しか
使えない例文を挙げて、
「AとBは●●という意味では同じですが、
▲▲という点で違います。
ですので、この例文ではAを使い、
この例文ではBを使います。」
という風に具体的に指導していきます。
ここで重要なのが、例文づくり。
そして、その参考にするのが類義語辞典。
とはいえ、類義語辞典といっても
いろいろあって迷います。
そこで、私が一番にお勧めする類義語辞
典がこちら。
『使い方がわかる類語例解辞典』小学館
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この辞書の何が一番いいかというと、
類義語の違いを簡明に説明した後、
具体的な現代語の例文で使い方の違い
を説明しているところです。
例えば、「大方」と「おおむね」。
『使い方がわかる類語例解辞典』小学館
を見てみると、それぞれ別の項目で紹介
されているのですが、
両者は以下のように説明されています。
==================
「大方」は、「月末までには大方治るだ
ろう」のように、半分以上の可能性があ
ると推量する使い方がある。また、「大
方の予想どおり…」のように、世間一般
の意もある。(p.866)
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「おおむね」は、全体のなかの主な点を
大きくつかむことをいう。概要の意味で
も使われる。(p.866)
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また、本書で紹介されている「大方」
「おおむね」の例文((1)~(3)が
「大方」の例文、
(4)~(6)が「おおむね」の例文)
に両者を入れて適否を見てみると、
(1)( 大方 ×おおむね )の人
が持っている。
(2)( 大方 おおむね )でき
あがった。
(3)( 大方 おおむね )の賛
同が得られた。
(4)事件は( 大方 おおむね )
片付いた。
(5)( 大方 おおむね )三日は
かかるだろう。
(6)決議案の( 大方 おおむね )
を発表する。
となります。
これらのことから考えると、「大多数の
人」という意味で使えるのは「大方」だ
けと言えそうですね。
これだけのことを、自分の頭だけで一か
ら考えていたのでは、時間がいくらあっ
ても足りません。
効率的に授業準備をするためにも、そば
に置いておきたい一冊です。
便利ですよ(^_^)