人の道とは何かと言えば。日本語教師も然り。
ただ今、この本を読んでいます。
堀籠敬蔵『剣道の法則』体育とスポーツ社出版
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堀籠先生の略歴は以下の通り。
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大正10年1月1日宮城県に生まれる。
昭和19年大日本武徳会武道専門学校卒業
宮城県公立高等学校教諭を経て戦後、
宮城県警察本部剣道師範
東北管区警察学校剣道教授、東北大学
剣道師範を長く務める
昭和52年全日本剣道八段選抜大会優勝
現在、宮城県剣道連盟名誉会長。
全日本剣道連盟相談役。剣道範士九段。
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何を隠そう、堀籠先生は私の出身大学
東北大学剣道部の師範。
私も学生時代、堀籠先生に毎日のように
稽古をつけていただきました。
今思えば、何と高名な先生から教えを
いただいていたのかと、恐れ入るばかり
です。
ただひたむきに剣道に向き合っていた
あの頃が(今も変わりませんが)
とても懐かしく思い出されます。
さて、その御著書のpp.29-30に以下の
ように述べられています。
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剣道の修業を通して人間としての道を
学ぶ。
人間の道とは何かと言えば「当たり前
のことを当たり前にする」ことである。
これは「言うは易く行うは難き」こと
ではあるが、人間として最も大切なこと
である。
かつて、大日本武徳会に於いては「武
の三則」として、次の項目を掲げている。
一、正義を尊ぶこと
二、廉恥を重んずること
三、禮節を旨とすること
以上を武道を行ずる者の心得として掲
げた。
この三則を守ることによって、人間の
形成ができるとされてきたのである。
剣道とは、ただ竹刀による打ち合いの
みではなく、この技術の錬磨を通して心
の修業に入り、人間的調和のとれた人づ
くりということになると思う故、我々は
十分心して修行に励むべきである。
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「人間の道とは何かと言えば「当たり前
のことを当たり前にする」ことである。」
日本語教育、試験勉強もまさしくその通り
です。
もう試験日は決まっています。
試験範囲も決まっています。
自分の今の知識や技量も大体わかるで
しょう。
であれば、やるべきことはもう決まって
いて、
後は、それを当たり前のように淡々と
実行するだけなのです。
もちろんそれは、簡単なことではなく、
「言うは易く行うは難き」
ことではありますが、
だからこそ、未熟な自分を見つめ直し、
自らを躾けていく大事な機会でも
あるのです。
その経験こそが、将来教壇に立った
時に、
説得力と迫力のある指導につながる
のです。
逆に、そこから逃げたら、教師失格。
学習者からの信頼を得ることは
できません。
本書では、さらにp.98に以下のように
書かれています。
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我々剣道人は、技術のみの職人であっ
ては末路は哀れである。
剣の事理に精通するよう努めることが
望ましい。
それでこそ剣道人として恥じない人と
いえるし、心豊かな剣道人生が送れる
ものと考える。
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「剣道人」を「日本語教師」、
「剣」を「日本語教育」、
「剣道人生」を日本語教師人生」
に置き換えれば、
日本語教育も全く同じです。
どうせ日本語教育の道を歩むので
あれば、
どうせ試験勉強をするのであれば、
目先のことではなく、高い志を
持ち、
日々の生活の1つ1つを丁寧に
見直しながら、
試験勉強をしてみてください。
そうすれば、合格の山など低い
ものに思えるはずです。