ちょっとやそっとじゃわからない「ちょっと」。
来月開催予定のセミナー
篠研の
「圧巻!国家資格日本語教員試験
・日本語教育能力検定試験【日本語文法】
徹底解説セミナー」(5月5日・6日開催)
より。
「ちょっと」という言葉は、学習者にとって
意味が捉えにくい、なかなか理解しがたい
言葉のようです。
「どうして?量や数が少ないという意味で
いいんじゃないの?」
そう思われるかもしれません。
確かに、例えば
例1)ちょっと休みましょう。
とか、
例2)ちょっと塩をかけると甘さが
引き立ちます。
という時の「ちょっと」は「少し」
と同じ意味です。
この用法なら、学習者もすぐわかります。
ですが、例えば、
例3)ちょっとここに名前と住所を
書いてください。
だと、どうでしょう。
この時、学習者は、
「名前と住所を少しだけ書けって、
どういうこと?
フルネームじゃなくて苗字だけって
ことかな?」
などと考えてしまいます。
貴方なら、この「ちょっと」の用法、
どう説明しますか?
こんなことがありました。
ある来日直後の学習者が、市役所に
行こうとしたのですが、場所が分からない。
そこで、通りすがりの日本人に、
「市役所はどこですか?」
と尋ねたところ、
「すみません。ちょっとわかりません。」
という返事。
学習者は、
「ちょっとわからないということは、
だいたいは分かるということかな。」
と思い、
「すみません。わかるところまでで
いいので教えてください。」
と言ったところ、
その日本人は、市役所の場所をまったく
知らなかった。
がっかりしたその学習者は、
「じゃあ、最初から
『ちょっとわかりません』
じゃなくて、
『全然わかりません。』
って言えばいいじゃないか!
紛らわしい!」
と思ったのでした。
さて、貴方なら、この「ちょっと」の用法、
どう説明しますか?
実は、「ちょっと」には単に「数量が少ない」
という副詞の用法だけでなく、
談話管理上、重要な機能があるんですね。
その複雑多岐さは、
「ちょっと」をテーマに博士論文を書いて、
大学教員にまでなった元留学生がいるほど。
まさに、
「ちょっとやそっとじゃわからない
『ちょっと』」
なのです。
そんな話も交えながら、日本語文法の
おもしろさ、奥深さ
そして、【合格力】をご提供します。
よろしかったら。
《日本語文法を制する者は、試験を制す!》
篠研の
「圧巻!国家資格日本語教員試験・
日本語教育能力検定試験【日本語文法】
徹底解説セミナー」(5月5日・6日開催)
https://www.kanjifumi.jp/bunpo_seminar/