日本語教育能力検定試験、敬語。謙譲語の2種とは。
敬語は、検定試験でも毎年のように
出題される頻繁テーマ。
また、教育現場では初級で基本的な
敬語を学習するものの、
中級以上で敬語を扱ったメインテキ
ストがあまりないせいか、
中級以上の敬語指導は、教師の技量・
裁量に委ねられている状況があるよう
です。
それだけに、検定試験に合格するため
はもちろんのこと、
いつ敬語の指導をすることになっても、
しっかり対応できるよう、
知識とスキルを磨いておいておきたい
ものですね。
ところで、
日本語の敬語には、謙譲語Iと謙譲語IIの
2種類あるのをご存知ですか。
簡単に言うと、
謙譲語Iとは、その行為が向かう相手を
立てる表現で、
謙譲語IIとは、話し相手や文章の相手に
対して丁重に述べる表現です。
この辺りについては、検定対策セミナー
でもしっかりお伝えしているのですが、
例えば、
同じ「言う」の謙譲語である「申しあげ
ます」と「申します」で考えてみましょう。
下の例文で、どちらが正しいでしょうか。
例)私はやくざに「人殺しはやめろ。」と
( 申し上げました 申しました )。
↓
↓
↓
↓
↓
正解は??
↓
↓
↓
↓
↓
「申しました」ですね(^_^)
なぜでしょうか?
なぜなら、「申し上げました」は
「やくざ」に対して敬意を表す表現に
なっているから。
「やくざ」は社会通念上敬意を表す
対象にふさわしくないため、
日本語として不自然になってしまうの
です。
言い換えれば、「申し上げました」は
その行為の向かう先の人を立てる謙譲
語Iなんですね。
一方、「申します」は話し相手が敬意
を表すにふさわしい人物であればここ
では全く問題ありません。
なので正解と。
つまり、「申します」は話し相手に対し
て丁重に述べる謙譲語IIなんですね。
では、この辺りについて詳しく解説して
いる文化庁の無料報告書とは何かというと、
これです。
検定試験受験予定の方はもちろんのこと、
日本語教育関係者の方必読です。
まさに、検定試験敬語問題のネタ元とも
いうべき第一級資料(^_^)
必ず目を通しておいてくださいね。