第二言語習得における「U字型発達」とは。
先日の直前対策セミナーでは、平成24年に
出題された第二言語習得研究の問題の中で
「U字型発達」
を解説しました。
「U字型発達」、分かりますか。
簡単に言うと、一度ちゃんと学んでも
また誤用を犯すようになり、
そして、また正しく使えるようになる
習得プロセスのこと。
教師としては、そんな学習者を見ると
若干歯がゆい思いもしますが、
振り返ってみれば、
検定試験の勉強をしている皆さんも
実は同じような経験をしているのでは
ないでしょうか。
そう考えると、ちゃんと身につけたはず
なのにまた間違えてしまう学習者を見ても、
「何でできないのっ!
ちゃんと教えたでしょ!」
とならず、
「そっか、これも習得プロセスの一部
なんだな。
本人は本人なりに頑張っているんだな。」
と、優しくなれるのではないかと思います。
このU字型発達について、篠研の通信講座の
講義資料
「N0.081 中間言語」
では、以下のように解説しています。
第二言語習得は検定試験で毎年のように
出題されます。
しっかりインテイクしてくださいね。
以下。
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発達順序研究によって、一度習得し正しく
使えるようになっても、
再び誤用を犯してしまう段階に入り(これ
を逆行(backsliding)といいます)、
その後再び正しく使えるようになるという
習得プロセスがあることが明らかになりま
した。
こうした正用-誤用-正用の発達プロセス
をU字型発達(U-shaped development)
あるいはU字型行動(U-shaped behavior)
といいます。
また、同じ学習者であっても、場面によっ
て正確さに違いが見られることがあります。
これを可変性(variability)といいます。
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1日1点。
しっかり積み上げていきましょう。