令和5年度日本語教員試験試行試験実施概要(案)を読む。(その2)
前回から始まった
「令和5年度日本語教員試験試行試験実施
概要(案)を読む。」
シリーズ。
今回は2回目です。
出典はこちら
文化審議会国語分科会日本語教育小委員会
(第119回)
https://qr.paps.jp/yK1RB
今回は、
「2.出題内容等」
を一緒に読んでみます。
以下。
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2.出題内容等
2-1.本試行試験の出題範囲
本試行試験は、養成修了段階で習得しておく
べき必要不可欠かつ基礎的な知識及び技能が
網羅的に備わっていることを確認・評価する
ためのものとする。
そのため、出題範囲は必須の教育内容に示さ
れた範囲とする。
日本語教育の活動分野や学習対象者に応じて
求められる分野別の専門性については
登録日本語教員の資格取得後も継続的に習得
されるものであり、
現職日本語教員の初任研修の修了段階で求め
られるものとして位置付けるため、
本試験においては、分野別の専門性に関する
詳細な知識等は問わないものとする。
なお、出題に当たっては、質を維持するため
継続的に問題を検証、蓄積し、本試験の試験
の改善等に生かすこととする。
また、試験の目的を踏まえ、教員のキャリア
形成を見据えた養成課程の段階で習得するこ
とが求められる
基礎的な知識及び技能を図る問題を精査、か
つ標準的な問題を出題することとする。
2-2.具体的な出題内容
各試験の具体的な内容は以下のとおり。
<試験1(基礎試験)>
基礎試験では、日本語教育を行うために必要
となる基礎的な知識及び技能を区分ごとに出
題する。
したがって、「必須の教育内容」から網羅的
に出題する。
◆区分ごとのおおよその出題割合の考え方
(案)
各区分における必須の教育内容の割合をふま
え、おおよその出題割合を算出。
<試験2(応用試験)>
応用試験では、基礎的な知識及び技能を活用
した問題解決能力を測定する。
ここでいう問題解決能力は、教育実践におい
て発揮されるものと捉えられることから、
応用試験は、教育実践と関連させて出題する
こととする。
区分を横断する出題のため、領域ごとの出題
割合は示さない。
応用試験の一部は、日本語学習者の発話や教
室での教師とのやりとりなどの音声を用いて、
より実際の教育実践に即した問題を出題し、
問題解決能力や現場対応能力等を測定する。
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いかがでしょうか。
まず注目したいのは、
「2-1.本試行試験の出題範囲」
の中の下の2カ所。
・出題範囲は必須の教育内容に示さ
れた範囲とする。
・現職日本語教員の初任研修の修了段階で
求められるものとして位置付けるため、
本試験においては、分野別の専門性に関
する詳細な知識等は問わないものとする。
前者については、前回もお伝えした通り
昨年令和4年と変わらない出題範囲。
篠研の通信講座は「必須の教育内容」を完全
網羅していますので、
令和6年以降の新試験にも完全対応した
形となっていると。
そして、後者については令和6年以降は
今までより基本的な問題の比率が上がる
ことを意味すると考えられます。
このことは、今セミナーでやっている
令和4年の検定試験から出ている傾向で、
「基本的な知識、知識の足元を見るような
問題が多い。」
印象を私は受けています。
ですが、だからといって単純に易しく
なったかというとそうではなく、
今まで基本過ぎてスルーしていたような
内容を解像度を上げて出題している感じ
ですし、
また、数問に1問はそこそこ骨のある問
題も散りばめられています。
なので、決して侮れません。
ただ、昨年の問題、そして今年の問題を
しっかり検討しておけば、
充分新試験の傾向と対策が掴めると思い
ます。
次に、試験1と試験2ですが、
筆記試験については、概ね今までの
形式を踏襲すると思います。
(記述問題について触れていないのが
若干不気味ですが。)
また、従来の試験IIにあたる音声問題
(=応用試験の一部)は、
試験時間も1.5倍になりますし、上記
文言から推察するに、
新しい形式の問題が出てくる可能性は
おおいにあると思います。
今回の部分でお話しできるのは、これ
ぐらいでしょうか。
また次回をお楽しみに(^_^)