2つのものを比較する構文の特徴(講義資料No.025より)

先日改訂した

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の講義資料「No.025 その他の重要構文」で

「2つのものを比較する構文の特徴」

の加筆部分を含んだ一節をご紹介します。

この内容は、実際に令和元年と2年に出題された
ものです。

しっかりインテイクしてくださいね(^_^)

以下。

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2つのものを比較する構文の特徴

 比較構文で特に問題となるのは、2つのものを
比較する表現です。

この表現の特徴としては、2つのものを比較する
だけではなく、「前」「後」「左」「右」「東」
「西」「南」「北」「上」「下」といった位置詞や

「昨年」「今の位置」「さっきの場所」といった
表現を伴って、相対的な位置関係や時間関係を表す
こともできる点にあります。

(31)今の位置より3歩後ろに下がってください。

 また、比較構文はあくまでも二者の差を述べる
表現であって、対象の一般的特徴について述べる
表現ではありません。

例えば、(32)ではあくまで「山田君」が「田中君」
より背が高いということを述べているだけであって、

「山田君」「田中君」が一般的に背が高いかどうか
はわかりません。

(32)山田君は田中君より背が高い。

 しかし、これに「もっと」「さらに」といった
程度副詞が加わると「山田君」「田中君」ともに
背が高い人物であることが含意されます。

(32’)山田君は田中君よりさらに背が高い。

 また、「~は~におとらず~」は、ただ単に2
つのものを比較するだけでなく、両者とも共通の
要素を含んでいることを表します。

例えば、(33)では、山田も田中も負けず嫌いで
あることを表しています。

その際、述語にはイ形容詞やナ形容詞、「よく
働く」のように副詞による修飾がついた動詞の他、

(33)の「かなり負けず嫌いだ」のように程度副
詞によって修飾された名詞が来ます。

(33)山田は田中におとらずかなり負けず嫌いだ。

 なお、程度副詞には、「さらに」「もっと」
「かなり」などが来ますが、

そのうち「かなり」は否定文より肯定文で多く
使われる傾向があります。

 以上の他、「ほど」には先ほどの「~ほど~
は~ない」の用法だけでなく、

例えば「喉から手が出るほど欲しい。」のよう
に程度を表す用法や、

「ビルの建設には半年ほどかかる。」のように
概数を表す用法があります。

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いかがでしたか。

「2つのものを比較する構文の特徴」、理解
できましたか。

「今まで気が付かなかったが、言われてみれば
 たしかにそうだな。」

そんな内容もあったと思います。

そういう所が、学習者にとってわかりにくく、
また、教師の方もうっかりスルーしてしまう
所なんですね。

比較構文、侮れません。

しっかり勉強してくださいね(^_^)


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