「てくる」と「ていく」(講義資料No.028より)
先日改訂した
【WEBで学ぶ通信講座
「篠研の日本語教育能力検定試験対策」】
https://www.kanjifumi.jp/become/distancelearning/
の講義資料「No.028 談話文法の諸問題」で
「『てくる』と『ていく』」
の加筆部分を含んだ一節をご紹介します。
この内容は、実際に令和元年と2年に出題された
ものです。
しっかりインテイクしてくださいね(^_^)
以下。
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まず、「てくる」「ていく」の基本的な用法を
押さえておきます。
両者の用法は大きく空間的移動と時間的移動に
分かれ、
さらに、前者は継起、方向明示、移動様態の
3種に分類されます。
(30)1.空間的移動
・継起:ある動作に引き続いて「来る」
「行く」という動作が起こること
を表す用法。
例)夕食は外で食べてきた。
パーティに招かれたので花を買っ
ていった。
・方向明示:「近づく」「向かう」「歩
み寄る」などの動作によって、移
動の主体が話し手から近づくのか
遠ざかるのかをはっきりと表す用
法。
例)見知らぬ男が近づいてきた。
ライオンが獲物に向かっていった。
・移動様態:どんな様態を伴って「来る」
「行く」という移動が行われるか
を表す用法。
例:窓の方から虫が飛んできた。
おい、金は持ってきただろうな。
2.時間的移動
次のような「てくる」「ていく」は、
空間的移動を含まず、時間的推移にし
たがった変化、すなわち時間的移動を
表す。
例:円高が進むにしたがって輸入が増
えてきた。
ようやく桜の花が開いてきた。
(日本語記述文法研究会(2009a)pp.131-132)
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いかがでしたか。
「『てくる』と『ていく』の用法」、理解でき
ましたか。
確かに、空間的移動と時間的移動という切り口
でとらえれば、非常に分かりやすいですね。
しっかり勉強してくださいね(^_^)