人生を「やりきった」と思えるようになるために。
剣道八段に合格なさったI先生。
実に受審19回目にしての偉業
でした。
日本語教育能力検定試験で2回
落ちた、3回落ちたなど、
ものの数ではないですね。
さらに、会場で配られたパンフレットを
見て驚きました。
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【八段先生方との稽古記録】
八段先生:312名(内故人25名)
八段先生との稽古回数:通算2451回
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稽古をするたびに、記録をつけていたん
ですね。
それだけではありません。
さらに下を読むと
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そのうち、百回稽古達成できた八段先生方
(達成順と通算回数)
1.M教士八段(神奈川県警察助教会稽古会長)
129回
2.K範士八段(神奈川県剣道連盟会長他)
162回
3.T教士八段(神奈川県道場連盟会長他)
155回
4.M教士八段(大分県剣道連盟会長)
139回
5.G範士八段(豊後大野市剣道稽古会師範)
100回
以上
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ここまで具に記録をつけていたというのは
驚くほかありません。
会では、多くの先生方からの祝辞の後、
I先生の挨拶がありました。
とても印象的でしたので、一部ご紹介
いたします。
検定試験の勉強、ひいては日本語教師ライフ
にも通じるお話です。
曰く、
「私にとって八段を目指す道のりは、
自分の中の潜在意識との戦いでした。
それは、居心地のいい現状に止まろう
とする意識です。
『七段のままでいいじゃないか。』
今の生活のままでいいじゃないか。
なぜあえて苦しい道を選ぶのか。』
そんな声が聞こえてくるのです。
そんな声を振り払いながら稽古を
してきました。」
いわゆる「現状維持バイアス」と
いうものですね。
現状維持は、言ってみれば太古から
脳に刻まれた生存本能。
できるだけ死のリスクを回避するための
ストラテジーなんですね。
ですが、現状に安住するということは
チャレンジしない、成長がないということ。
そうすると、人生の終わりに、
「もっとあれをやっておけばよかった。」
という取り返しのつかない後悔という
人生最大のリスクを負うことになります。
そこに気づいて、ひたすら、ひたむきに
稽古に励んで得た八段の称号。
本当に素晴らしいと思います。
日本語教育能力検定試験の勉強も
また同じ。
「別に合格しなくたっていいじゃないか。
今の生活のままでいいじゃないか。」
そんな声が聞こえてきたら、
「今まさに、神様が
『お前の覚悟は本当か。』
と試しているんだ。
よし、今こそ頑張ろう。」
と奮起してください。
そうすれば、人生の終わりに、
「いろいろあったが、やり切った。
もうこの世に悔いはない。」
と、人生の達成感という最大のご褒美
があります。