日本語教育能力検定試験、失敗する勉強法5選(2)
前回、日本語教育能力検定試験に失敗
する勉強法として、
1.失敗する勉強法(その1)
【そもそも勉強量が少なすぎる。】
2.失敗する勉強法(その2)
【短期決戦でやろうとする。】
をご紹介しました。
逆に言えば、
【圧倒的な学習量を】
【中長期的計画】
で取り組めば、検定試験に合格すること
など、さして難しいことではないのです。
【楽】と【欲】に引っ張られると、うまく
いかない。
ただそれだけの事なのです。
ぜひ、今のご自身の勉強法を見直してみて
くださいね。
今回は、その続きです。
3.失敗する学習法(その3)
【反復学習をしない。】
こういう方も、案外多いように思います。
中には、教材を買っただけで勉強したような
気になっている方も(笑)
また、
「いや、私はテキストを繰り返し勉強した。」
という方もいらっしゃいますが、よくよく
聞くと、繰り返したのは2~3回。
しかし、それでは知識が十分脳内にインス
トールできたとは言えないでしょう。
私が勧めるのは、最低5回です。
最低5回繰り返し読み込まなければ、
よほどの天才ではない限り、
その教材の情報を十全に脳内に叩き込む
ことはできません。
例えば、
通信講座「篠研の日本語教育能力検定試験対策」
の場合、WEBコース全体でスライド枚数にして
約3000枚の講義資料があります。
一通り読んでも、正直
「読んだそばから忘れてしまう。」
といった感覚でしょう。
イメージとしては、講義資料を読むたびに、
脳内に知識という名の点を打っているような
感じです。
そして、2巡目を読み終えても、多くの方は
「なんか以前も読んだような気がするけど、
はっきりとは覚えていない。」
といった感じだろうと思います。
ただ、感覚的にはそうでも、実際は確実に
1巡目以上の膨大な知識が脳内にインプット
されていています。
イメージとしては、1巡目の点が少し大きく
なったのと、
それに加えて、さらに多くの点が脳内に刻ま
れていく感じです。
続いて、3巡目を読み終えるころには、
「おー!だんだんわかってきた。検定試験の
輪郭がつかめてきた。」
「個別のキーワードの理解から、各テーマごとの
知識がまとまって分かるようになってきた。」
そんな感覚になると思います。
イメージとしては、1巡目、2巡目の点が
より大きくなり、
さらに、3巡目の点が増えていくといった
感じです。
このあたりから、検定試験の試験Iの問題が
解けるようになります。
さらに、4巡目になると、知識の点がより
増えると同時に、
点と点がつながり、ネットワークを張るよう
になります。
実は、3巡目でも同じようなことが起こって
いるのですが、
3巡目のネットワークは、あくまでも近場の
点同士のつながり。
これが、4巡目になるとテーマを越え、
さらには5つの出題領域(言語一般、言語と
教育、言語と心理、言語と社会、社会・文化
・地域)を越えてつながるようになります。
その結果、例えば、
「なるほど!日本語の文に主語がないのは、
日本人の世界認識と関係があるのか!」
とか、
「グライスの協調の原理って、初級クラスの
コミュニケーションの仕方に使えるなぁ。」
といったことが見えてきます。
前者は、文法(言語一般)と認知(言語と心理)
とが結びついた例ですし、
後者は、語用論的規範(言語一般)と初級の
指導法(言語と教育)とが結びついた例です。
こうなると、だんだん勉強が面白くなって
きます。
そして、5巡目になると、もはやどこに何が
書いてあるのか、おおかた分かる段階。
この段階になると、知のネットワークがさら
に密に張られ、
縦横無尽に知識を組み合わせ、アウトプット
することができるようになります。
この段階になると、検定試験の試験IIIが面白い
ように解けるようになります。
いかがでしょうか。
反復学習のイメージがつかめましたでしょう
か。
反復と言っても、ただ漫然と同じことを繰り
返すのではありません。
同じような作業をしているようでいて、実は、
その都度高度な認知活動へと昇華していって
いるのです。
「学びは漆塗り」
と言います。
ぜひ、しっかりと反復学習をして、知識に
磨きをかけていってくださいね。