基本は初歩ではない。
過去の篠研メルマガを読み返してみると、
我ながら、
「いいこと書いとるなぁ。」
と思うことしきり(自画自賛(^_^))
新しいものを追いかけるのも悪くは
ありませんが、
「いいものを何度も熟読玩味する。」
ということも、成長するためには
忘れてはいけない必要不可欠なこと。
今回は、2019年9月24日配信の
メルマガ「篠研の“日々成長する教師”」
vol.1248のコラムを再掲いたします。
以下。
======================
基本は初歩ではない。
----------------------
基本と初歩。
よく似た言葉ですが、その意味するところは
まったく違います。
「初歩」とは、
「学問・技術・芸事などの習いはじめ。
初学。手はじめ。」
-goo国語辞書
一方、「基本」とは、
「判断・行動・方法などのよりどころとなる
大もと。基礎。」
-同上
つまり、初歩は初学者が知識やスキルが未熟
などの理由で、
習い始めのときにだけする、一時的・便宜的
な思考や行動、
従って、知識やスキルが上達すればやめてい
い、忘れていい思考や行動のことです。
一方、基本は、初学者はもちろん熟達者に
なっても必ず守らなければならない原理原則、
鉄則です。
例えば、自転車に乗ることを考えてみましょ
う。
まだ2輪車に乗れない人は、転ばないように
補助輪をつけて自転車に乗る練習をします。
ですが、しばらく練習して、2輪車に乗れ
そうになったら補助輪を外して練習します。
つまり、補助輪は自転車にうまく乗れるまで
の一時的な措置。
だから、これは初歩。
ですが、自転車に乗っている時、いつもブ
レーキに軽く指をかけて走るのは、初学者で
も熟達者でも必ず守らなければなりません。
そうしないと、何かあったときにとっさに
自転車を止めることができず、大事故につな
がる可能性があるからです。
まさに、これは自転車に乗るための原理原則、
鉄則。
これが基礎なのです。
では、私たちが自転車を正しく使いこなせる
ために必要なことは何かというと、
学び初めの段階から、徹底的に基礎を体に叩
き込むことです。
自転車に乗ったら、無意識にブレーキに軽く
指をかけるようになるまで、繰り返し行動し
て、習慣化させることが絶対に必要。
この習慣的行動によって、とっさのときに
ブレーキをかけて事故を回避することができ
るのです。
それをないがしろにして、派手でアクロバッ
トな乗り方の練習ばかりをしているとどう
なるか。
もはや説明するまでもありませんよね。
検定試験の勉強も同じです。
基礎・基本をなおざりにして、奇抜な知識、
重箱の隅をつつくような知識ばかりに走ると
どうなるか。
そういう知識は往々にして利用範囲が狭い
ので少し出題の切り口が変わっただけで、
たちまち訳が分からなくなってしまいます。
一方、基礎・基本は、物事の本質、原理原
則であるだけに応用範囲が広く、波及効果
が高い。
初めて見るような切り口の問題を見ても、
基礎・基本から辿って考えられるので、
「なるほど、これはつまりこういうこと
だからここがポイントなんだな。」
と、すぐにその問題の本質を見抜くことが
できるのです。
もちろん、結果も推して知るべし。
であれば、検定試験に合格するためには
何をおいても基礎・基本を徹底的に押さえ
るということが、絶対的に必要なのです。
基礎・基本を身体知レベルまで徹底的に
叩き込み、
試験問題を見ただけで半自動的に正しい
思考が働くレベルに達しなければ、
検定試験合格はおろか、時間内に問題を
解き切ることすらできないのです。
====================
いかがでしょうか。
私自身、この考え方は今も昔も変わってい
ません。
基礎は、すべての原理原則・鉄則であり、
なおかつ波及効果が最も高い。
言い換えれば、最も応用が利き、かつ
最も効率的に学習を進める肝なんですね。
だからこそ、私は基礎固めセミナーを
強くお勧めするのです。
篠研の「圧巻!日本語教育能力検定試験対策
基礎固めオンラインセミナー」
(4月8日、15日、22日、29日:14:00-17:30)
https://www.kanjifumi.jp/kisogatame_seminar/