国家資格、いつから?
現在、文化庁では日本語教師の国家資格
である【公認日本語教師】の制度化に向けて
急ピッチで議論がなされています。
皆さんも、とても気になるところだと思います。
これについては、
「日本語教師の資格に関する調査研究協力者
会議」
がこれまで4回開催されました。
そのうち、資格制度創設までのスケジュール
について触れられたのは、第2回会議です。
そこでは、最速で令和6年から全面施行に
なるとのことでした。
資格制度創設に向けてのロードマップ(案)
https://bit.ly/3adxhCF
この時の会議の様子は、YouTubeライブで
放送され、私もその会議をずっと見ていま
した。
文化庁の話によると、
「全面施行までには法律の制定や政令・省令
の措置、試行試験の実施など、いくつかの
ハードルがあり、
これらの進捗状況によっては、全面施行が
後にずれる可能性もある。」
とのことでした。
ただ、基本的にはこのロードマップに即し
てことが進められていくわけで、
今回の検定試験の実施要項の「出題範囲」
の中に、
(下記資料の2ページ目。)
https://bit.ly/3mQAsp8)
「※ 令和 4 年度の試験より「必須の教育
内容※」に準じた出題範囲へ移行する予
定。」
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(注)
なお、「必須の教育内容」とは、
「日本語教育人材の養成・研修の在り方につ
いて(報告)改定版」のp43「日本語教師
【養成】における教育内容」
https://bit.ly/3uRka1T
をご参照ください。
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とあるのは、こうした文脈の中での措置
ということができるのです。
で、皆さんが気になるのは、
「日本語教師になるなら、国家資格が
できる前の方がいいのか、
それとも、国家資格ができた後の
方がいいのか。」
というところだと思いますが、
結論からいえば、
「国家資格ができる前にとっておいた
ほうが100倍いい。」
です。
いくつか理由がありますが、一番の
理由は、
【資格取得のハードルが上がるから。】
です。
先の会議の第4回で出された下記資料を
ご覧ください。
公認日本語教師の資格のイメージ(案)
https://bit.ly/3gqlcOL
基本的には、日本語教育能力を判定する
試験(筆記試験)が2つあり、
この両方に合格しなければなりません。
さらに、教育実習を修了する必要があり
ます。
ただ、私のイメージとしては、
筆記試験1は、現行の検定試験の試験I、
筆記試験2は、現行の試験II・IIIかな
といった感じです。
なので、分かれるといっても現行と大き
な差はないでしょう。
ハードルが上がったとは、どういうこと
かというと、
例えば、これまで420時間養成講座を修了
すれば、即「有資格者」の資格を得ること
ができました。
しかし、新たな制度では、420時間養成
講座を修了すると、筆記試験1と教育
実習は免除されますが、
筆記試験2は受験し、合格しなければ
ならないのです。
つまり、現行の方式に試験が1つ増える
わけで、筆記試験2に合格しなければ、
資格を得ることができないのです。
「であれば、最初から420時間コース
ではなく、
筆記試験1と2合格目指して頑張れば
費用もかけずに済むし、時間短縮にも
つながるし、いいんじゃないの?」
と思われるかもしれません。
もちろん、その方法もアリです。
ただし、その場合、「指定日本語教師
養成機関における教育実習」ができる
場所を自分で探して、修了する必要が
あります。
都市部であれば、そうした場所はある
でしょうが、地方の場合は最寄りにあ
るかどうか、事前に調べておいたほう
がいいでしょう。
最悪、最寄りにない場合は、他県まで
通勤しなければならないかもしれません。
これは、かなり大変です。
以上のことから、日本語教師になるなら
国家資格が施行される前に検定試験に
合格するなり、420時間コースを修了する
なりして、
「有資格者」になっておいた方が100倍
いいのです。