「2021年度海外日本語教育機関調査結果概要」を読む(3)
11月24日、国際交流基金基金から
「2021年度海外日本語教育機関調査結果概要」
https://bit.ly/3itVImD
が発表されました。
前々回からこのレポートについて解説して
います。
このテーマはひとまず今回で終わりとしますね。
今回はその3回目として、
「日本語学習の目的・理由」
についてお話します。
日本語学習の目的・理由は、日本語学習者
を知る上で非常に重要な視点を与えて
くれますし、
検定試験にも出題されますので、しっかり
押さえておきましょう。
上位4つのの結果は以下の通り
(複数回答・その他は除く)。
1位 日本語そのものへの興味 60.1%
2位 アニメ・マンガ・J-POP・
ファッション等への関心 59.9%
3位 歴史・文学・芸術等への
関心 47.9%
4位 自国内での現在の仕事、
将来の就職 40.6%
ちなみに、前回2018年の結果は以下の通り
です。
1位 アニメ・マンガ・J-POP・
ファッション等への関心 66.0%
2位 日本語そのものへの興味 61.4%
3位 歴史・文学・芸術等への
関心 52.4%
4位 日本への留学 46.7%
2021年の4位「自国内での…」は2018年
では、6位でした。
2018年の4位、5位はそれぞれ
4位 日本への留学
5位 日本への観光旅行
ですので、これはコロナ禍によるものと
思われます。
ただ、「仕事・就職」が4位に上がったと
はいえ、%でいえば41.1%→40.6%と微減。
日本企業の給与水準が世界的に低いと
いうことに加え、
日本企業が海外の生産拠点を日本に移して
いるためと思われます。
また、「アニメ・マンガ・J-POP…」も
2018年調査に比べ、順位・%ともに落ちて
いることから、
日本のサブカルの影響力も徐々に薄れて
きているのかな、と感じます。
前々回もお伝えした通り、学習者数も
頭打ち状態ですので、
「今はちょっと踏ん張りどころかな。」
そんな気もします。
ただ、この調査は、あくまでも教育機関
で学ぶ学習者の調査。
教育機関に属さず、独学で学んでいる
学習者は含まれていません。
特に、昨今のコロナ禍ではオンライン
レッスンがかなり浸透しました。
この辺りを含めた調査が待たれるところ
です。
皆さんは、どう感じられました
でしょうか。