新しい日本語教員の資格制度の内容とは。
去る10月25日、文化庁にて下記会議が
開催されました。
日本語教育の質の維持向上の仕組みに関する
有識者会議(第5回)
https://bit.ly/3gQajI1
これは、日本語教師の質と量の確保を担保
するために、
現在の日本語教師の資格(民間資格)から
国家資格にしていこう、
そのための資格取得の仕組みを作っていこう
というものです。
結論から申し上げると、資格取得のハードル
が今よりかなり上がると予想されます。
まず、現行の日本語教師資格は以下の条件の
いずれかを満たせばいいとされています。
1.日本語教育能力検定試験合格
2.民間の養成講座(420時間)修了
3.大学・大学院において日本語教育の
主専攻ないし副専攻を修了
これらのいずれかを満たせば、有資格者と
して教育機関(主に日本語学校)で教壇に
立つことができるわけですね。
一方、現在議論されている資格取得のイメージ
(あくまでもたたき台)は、下記資料の
1枚目の概念図です。
認定を受けた日本語教育機関の教員の資格制度
(イメージ)【たたき台】
https://bit.ly/3DkcKdr
ちょっと複雑ですね。
3枚目の「登録日本語教員の資格取得ルート
(イメージ)【たたき台】」のほうがわかり
やすいかもしれません。
要は、新しい資格制度の下では、
1.2つの筆記試験に合格
2.教育実習の修了
の両方を充たさなければならないわけです。
逆にこの両方を充たせば、「登録日本語教師」
として文科省のお墨付きをもらった形で
活動することができます。
ただ、これまでは、検定試験に合格するか、
あるいは、420時間講座(実習込み)を履修
するかのいずれかでよかった。
ですが、今後はこの両方の要素を充たさ
ないと教壇に立てないということになる
わけです。
もちろん、本資格はあくまで「名称独占
資格」ですので、この資格がなくても
日本語教育を行うことはできます。
厳密に言うと、ただ「登録日本語教師」と
名乗れないだけです。
ただ、日本語教育機関は登録日本語教師
を優先的に採用するのは確かです。
なので、実質的には登録日本語教師に
ならないと教壇に立てないという状況
になっていくと思われます。
続きは次回に。