自分を過大評価する人、過小評価する人(その2)
前回、
【ダニング=クルーガー効果】
という心理学用語をご紹介いたしました。
これは、
「能力の低い人は、自分の能力を過大評価
する。」
という認知バイアスのことです。
一見よくないバイアスのように見えますが
(もちろん、付き合い方次第)
自己成長に必要な「最初の一歩」を躊躇
なくできるというメリットもあります。
そして、もしご自身のことを、
「ちょっと過大評価するきらいがあるな。」
と思うのであれば、無理にそんな自分を
押し殺そうとするのではなく、
「せっかく天から受けた性分なんだから、
これを活かして、いろいろなことに
チャレンジしてみよう。
多少のけがや失敗など、最初から織り
込み済み。」
と発想を転換してみてはどうか。
そんなご提案をさせていただきました。
今回は、その続き。
認知バイアスには、
【ダニング=クルーガー効果】
の逆バージョン、すなわち
「能力の高い人は、自分の能力を過小評価
する。」
というものもあります。
これを、
【インポスター症候群】
といいます。
「インポスター」とは、英語で「詐欺師」
という意味。
つまり、たとえ成功したとしても、それは
自分の実力ではなく、単に運がよかっただけ。
それをあたかも実力であるかのように振舞う
自分は詐欺師であるとして、ひどい自己嫌悪に
陥ってしまう状態のことを言うんですね。
インポスター症候群の主な症状には、以下の
ようなものがあります。
・成功は運がよかったため
・自分は詐欺師で、成功に値しないと思って
しまう
・能力があって数々の栄誉がありながらも、
能力があるように見せかけて手に入れた
成功だと思ってしまう
さすがにここまで症状が重くなくても、
傍から見たら充分能力があるのに、
「いえいえ、私なんか。。。」
といって、なかなか前に出ようとしない方、
結構多いように思います。
よく言えば、謙譲の美徳ですが、
言い方を変えれば、宝の持ち腐れ。
自らスケールアップの機会を失っている
わけですから、これほどもったいない
ことはないでしょう。
では、そういう方は、どうすればいいのか。
まず、こういうタイプの方は、
「他人の目を気にしすぎる。」
傾向が強いように思います。
「自分の失敗を他人に見られたら
どうしよう。」
と思うあまり、最初の一歩が踏み出せない
わけですね。
ですが、安心してください。
他人は、あなたが思うほどあなたのことを
見ていません(笑)
もっと言うと、興味もありません(笑)
かりに、あなたの失敗を見て笑ったとし
ても、3日後にはほとんど忘れています。
だから、気にしなくても大丈夫です。
これが1つ。
そして、もう1つは、
「能力の高い人は、自分の能力を過小評価
する。」
ということは、逆に言えば、
「自分の能力を過小評価する人は、能力の
高い人である。」
ということです。
なので、自分の能力を過小評価してしまう
人は、
「自分は自分が思うより能力が高いんだ、
ただ、まだ自分自身がそのことに気がついて
いないだけだ。」
と無理やりにでも考えることをお勧めします。
そして、最も大事なことは、
「あなたなら、できると思うよ。
やってみたら。」
という師のアドバイスに素直に従ってみる。
最初は半信半疑だと思いますが、続けて
やれば必ず小さな成功を体験します。
(能力があるから当然。)
そうすると、自己肯定感が徐々に上がって
行き、自分が好きになっていきます。
もちろん、人生も好転し、「本来の自分」を
取り戻すことができるでしょう。
いつも、
「いえいえ、私なんか。。。」
と考えてしまう方。
「あなたなら、できると思うよ。
やってみたら。」