今年の記述式問題、篠崎はこう答えた。
昨日、検定試験を受験なさった皆様、
お疲れ様でした。
皆さんは、記述問題にどう解答しま
したか。
今回の問題は、
上級文法クラスでの反転授業を計画
せよ
というもの。
授業設計がテーマというのは、これ
まであまりなかったように思います。
個人的には、
「やっと教育工学が出題されたか。」
といった印象。
また、去年出題されて、若干ざわついた
キーワードの指定は、今年はありま
せんでした。
(不評だったんですかね。)
ただし、今回の問題は、単に反転授業の
授業設計をするだけではなく、
・どんな動画を用意し、
・60分でどんな授業展開をするか。
そして、
・反転授業のメリットが十分活用
できるような計画にすること
・その活動が上級文法クラスにおいて
効果的と考えられる理由に言及
と、
近年稀にみる
「注文の多い記述問題」(笑)
でした。
そこで、今回は、ご参考までに私の解答
(提出したものとちょっと違いますが)
を紹介します。
ぜひ、「反転授業」に対する理解を深めて
ください。
以下。
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反転授業のメリットは、事前学習によって
効率的な知識習得が可能であること、授業
ではそれに基づいた発展的学習を行うこと
によって、学習者の主体的態度を醸成する
とともに、問題解決能力や知識の活用能力
を向上させられる点にある。本クラスでは
文型の例文・意味・構造を解説した1文型
当たり数分の動画を用意し事前視聴させて
おく。また、当該文型を含んだ例文をイン
ターネット等で3例文探させておく。授業で
は学習者を数人のグループに分け、調べた
例文を持ち寄って使用場面を分析させ、そ
れに基づき当該文型を使って自分や自国に
ついて例文を作らせ、ピア学習を通じてそ
の適切性(内容・言語形式)について検討
させ、グループごとに発表させ、理解の深
化を図る。こうした活動が本クラスで効果
的な理由は、上級レベルの学習者は単に日
本語力が高いだけでなく、独力での学習が
可能、日本語に対する分析力がある、日本
語による意味交渉が可能など、活動に必要
な知識やスキルがあるからである。
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