日本語教師をめざす皆さんへ
-篠崎大司からのメッセージ-

日本語教師で就職できるんだろうか。
日本語教師は私にあっているんだろうか。
日本語教師で本当にやっていけるんだろうか。……

日本語教師を目指す多くの方がそうお考えになっているのではないかと思います。

確かに仕事は楽ではありません。最近は、国内日本語学校の留学生数が回復基調にあるので、比較的就職しやすい状況になっています。とはいえ、「先生」と呼ばれる職業ですから、それなりの能力や資質も当然問われます。

私自身、就活をしていたのが平成9年。今よりはるかに「就職冬の時代」。そんな中、本格的に日本語教育の勉強を始めたのが大学院からだった私でも就職することができました。(学部時の専門は教育哲学。まるで畑違い。)。

もちろん簡単ではありませんでした。限られた2年間の中で、いかにして3点セット-研究業績・検定試験合格・実務経験-を卒業までに揃えるかを真剣に考え、努力や工夫を重ねました。

同期の院生に比べればスタートは最後尾。それでも、自分の未来に向けてしかるべき準備を日頃からしっかりしていれば、道は十分開けるものなのです。

あれから17年。現在は大学で教鞭をとっています。留学生には初級から上級まで日本語を教え、また、日本語教師養成の授業も担当しています。

駆け出しのころは、とにかく目先の仕事をこなすのに精一杯でしたが、今では、自分の経験を活かしたeラーニング教材開発、書籍出版、メルマガを通じての検定試験対策講座、HPを通じてさまざまな情報発信。さらに学会や研究会の運営にも力を入れています。年を追うごとに活動範囲がどんどん広がっています。

「忙しい。」「大変だ。」と思うことは何度もありましたが、不思議と「つらい。」とか「やめたい。」と思ったことはありません。最近では「この仕事を選んで本当によかったなあ。」と、仕事に対する強い愛着を感じるようになりました。自分なりに納得して選んだ道だからでしょうか。こういう感触を皆さんにも味わってほしいと思います。

そして、とりわけ今の皆さんにぜひ考えていただきたいのは、「自分の人生設計をしっかり立てる。」ということです。自分の夢は何なのか、自分はどんな人生を望んでいるのか、そしてそれを実現させるためにはいつ何をしなければならないのか、そういうことを真剣に考えて続けてください。

そうすれば、道は必ず開けます。
皆さんのご健闘を心から祈ります。

2014年5月17日
篠崎大司

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