キーワード解説「け」
これまでの日本語教育能力検定試験に出題されたキーワードを、随時解説していきます。知識の補完・整理にご活用ください。
結束性(けっそくせい)★
文と文の間に文法的・語彙的な結びつきがあること。
この結束性は、まとまりのある言語表現を構成するために必要な要素のひとつで、さらに文法的結束性と語彙的結束性に分類されます。下線部分が結束性を示しています。
(1)文法的結束性
ⅰ.同一物指示または指示
指示には「前方指示」と「後方指示」がある。
- 代名詞によるもの (例)ここに15人の男性がいる。かれらはみなオーストラリア人だ。
- 指示詞によるもの (例)ねえ、こんな話ってある? 彼って実は二股かけてたのよ。
- 比較語によるもの (例)サンドイッチ、いっぱい食べた?-もっとちょうだい。
ⅱ.代用
- (例)(デパートで)探してた青いタオル、あった?-茶色いのしかない。
- (例)あなたは田中さんですか。-はい、そうです。
ⅲ.省略
(例)
- A:昨日どこへ行きましたか。
- B:神戸です。(昨日、神戸へ行きました。)
ⅳ.つなぎ語(接続詞・接続表現)
- (例)つまらない物ですが、お納めください。
- (例)今日の新聞、テーブルの上にあるから取って。
(2)語彙上の結束性
ⅰ.繰り返し
- (例)ファーストフードは健康に悪い。毎日ファーストフードを食べ続ければ、中年になったとき、深刻な健康問題に直面するだろう。
ⅱ.類義語
- (例)木登りをしている少年がいた。その男の子は危険なことなど全くかえりみなかった。
ⅲ.上位語
- (例)彼は日曜になるといつも納屋から大工道具を引っ張り出していた。ハンマー、ドリル、のこぎり、かんな等、とにかくあらゆるものをだして、日曜大工に精を出すのである。
ⅳ.総称語
- (例)この5年間、就職、結婚、転職、出産、離婚に倒産と、本当にいろんなことがありました。
特に中級以降の読解指導などでは、文の構成やつながりを理解させる上で重要な指導項目の一つと言うことができます。
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