キーワード解説「あ」
これまでの日本語教育能力検定試験に出題されたキーワードを、随時解説していきます。知識の補完・整理にご活用ください。
アスペクト★
aspect。ある動作や出来事がどの局面(開始直前-進行中-開始直後)にあるかを表す文法形式。相。
日本語では、「食べる-食べている」の対立に見られるように、動詞に補助動詞をつけたり、複合動詞を使ったり、動詞のタ形を使ったりと、様々な表現で表すことができます。
(1)今昼ごはんを食べるところだ。(形式名詞「ところ」:開始直前)
(2)今から昼ごはんを食べ始める。(複合動詞:開始)
(3)今昼ご飯を食べている。(動詞+「ている」:進行中)
(4)ただ今食事中です。(接尾辞「中」:進行中)
(5)もう昼ごはんを食べた。(タ形:完了)
アスペクトとテンスはよく似た文法形式ですが、下の例をみるとその違いがわかると思います。(カッコ内は左がアスペクト、右がテンスを表す。)
(6)昼ごはんを食べている。(進行中:現在)
(7)昼ごはんを食べていた。(進行中:過去)
(8)昼ごはんを食べるところです。(開始直前:現在)
(9)昼ごはんを食べるところだった。(開始直前:過去)
また、日本語の場合、動詞のタ形はテンスもアスペクトも表します。下の例を見てください。
(10)(昼休みに)朝ごはんを食べた。(テンス)
(11)(昼休みに)昼ごはんを食べた。(アスペクト)
この見分け方ですが、(10)(11)の例文を疑問文にし、それに否定文で答えるときどうなるかをみれば、その違いがはっきりします。
(10’)(昼休みに)
A:朝ごはん食べた?
B:ううん、食べなかった。(テンス)
(11’)(昼休みに)
A:昼ごはん食べた?
B:ううん、まだ食べてない。(アスペクト)
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