「聞かなきゃよかった」では済まされない著作権の話。

先日も紹介したこちらの記事。

中学教員、イラストを無断で学校HPに
市が作者に27万円賠償へ
https://www.asahi.com/articles/ASQCY7SMXQCYPTLC00B.html

著作権は、著作者にとっては命綱
ともなる重要な権利です。

また、今後、日本語教育界は他業界
との連携も模索していかなければなりません。

ですので、著作権に対する適切な
認識と行動をとらなければ、

上記のように訴えられるケースも
増えてくるでしょう。

しかしながら、教師に対する著作権
教育というのは、決して易しいもの
ではないようです。

これについて、森田(2019)は、

「聞かなきゃよかった」

と題したコラムで、次のような話を
紹介しています。

以下、通信講座の講義資料

「No.077 著作権」

より。
====================

ある研修会で著作権の講義を終えて控え室
に戻るとき、参加者の方から

「著作権の話なんか聞かなければよかった。

 知らなければ、堂々とこれまで通りにい
 ろんなことができたけど、知ったから
 できなくなった。」

という声が聞こえました。

どうやら、これまでは著作権についてあまり
知らなかったからコピーし放題だったのが、

これからはコピーできない、不便になった、
というところでしょうか。

人の著作物を無断で利用してもその人の損に
はならないのに、とこのように思う人は案外
多いように思えます。

原因の一つが、著作物は物としての実体が
ない概念だからでしょう。

例えば、本の持ち主から本そのものを黙って
持っていけば、盗み(窃盗罪)になりますが、

「刑法第235条に違反してしまった」、

と後悔する人はあまりいないことでしょう。

人のものを盗むことは、刑法云々の前に道徳
的な罪として後悔する人が多いでしょう。

窃盗の場合は物がなくなりますが、著作権の
場合は物はなくならずに手元に残っています。

盗まれた方も盗んだ方も物の移動がないため
になかなか実感が伴いません。

著作権教育では、この抽象度の高い概念をい
かにして具体化し、実感を持たせるか、

そこに指導の難しさがあります。

著作権教育は、指導計画に決められた枠の中
だけの指導ではなく、

日々の生活の中で、事例があったらすぐに
その場で指導することも大事だと思います。
                 (p.57)

参考文献

森田盛行(2019)『みんなで学ぼう学校教育と
著作権〜著作権の基本から指導まで〜』
全国学校図書館協議会

===================

いかがでしょうか。

著作権侵害は、

知らなかったから、見られていないから
許される

というものではありません。

また、身近な人(同僚教師や学習者)が
著作権違反をしようとしていれば、

その場で指摘することも違反行為を未然
に防ぐためには重要なことです。

今は、何でもSNS等で情報がアップされる
時代。

清廉潔白であることこそ、長く、機嫌よく
日本語教師を続けるための要諦であると
思います。


資格取得が目標の方へ
無料メルマガ「篠研の日本語教育能力検定試験対策」

日本語教育能力検定試験頻出のキーワードやテーマについて4択問題と動画でお届けします。平日(月・水・金)、日本語教育能力検定試験合格のための情報をご提供するメルマガです。

さらに、今ご登録なさると特典が無料でダウンロードできます。
特典 「日本語教育能力検定試験 記述問題対策」(全24ページ)

解除はもちろんのこと、メールアドレス変更など個人データの編集も簡単ですので、ご安心ください。プライバシーポリシーをご確認の上、ご登録を希望されるメールアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。

  メールアドレス【必須】
  お名前(姓)【必須】
  お名前(名)【必須】
  よみがな【必須】
  都道府県【必須】 なお、海外在住の方は「海外」をお選びいただき、下記項目に例のようにご記入ください。
海外にお住まいの方は「ベトナム(ホーチミン)」のようにお書きください。