AI不正にどう対処するか。(その3)
前回、
機械翻訳の是非についてお話
しました。
私自身、まだ確たる考えがある
わけではありません。
授業で機械翻訳を全面的に禁止
するというのは簡単ですが、
今後、学習者が実社会で機械翻訳
を使う機会は爆発的に増えると
思われますし、
散々苦労して日本語作文力を身に
つけようとしても、
機械翻訳の方がはるかにエレガント
な日本語の文章を一瞬で作って
くれるとなれば、
「なんでそこまでして、作文を
勉強しないといけないの?」
と、学習の意義を感じられなくなる
のは容易に想像できます。
実際、私たちの普段の生活におい
ても、
例えば、好きな海外のアーティスト
のSNSコメントやブログを読みたい
と思えば、
機械翻訳にかけようと思うでしょう
し、
いや、そう思う前に、自分の母語に
合わせてAIが勝手に翻訳してくれる。
そんな状況になりつつあります。
また、研究者が自身の論文の英文要約
を作成する際に、
機械翻訳を使うというのもごく日常。
こうした流れに逆らうのは、
まるでひと昔ふた昔前にワープロ
が世に出たころ、
「いやいや、手書きの方が味がある
から、レポートは手書きのもの
に限るでしょ。」
と言っていた、私のかつての先輩
教員に似ています。
そう考えれば、機械翻訳を完全敵視
するのではなく、
それとどう共存し、それをどううまく
使いこなすかを考えた方が、正しい
のではないかと思います。
そんな折、こんな論文を見つけました。
寺門・菅谷(2024)「日本語学習における
AI 機械翻訳の活用方法」
https://00m.in/oXiDe
一言でいえば、日本語学習での機械翻訳
活用のメリットについて述べられていま
す。
続きは、次回に。