AI不正にどう対処するか。(その1)

AIとは人工知能(Artificial Intelligence)
の略称で、

文部科学省のサイト

「第1章 新時代を迎えたAI」
 https://00m.in/zQeUl

では、いまだ国際的に合意された定義はない
と前置きしたうえで、以下のように定義されて
います。

===================

人間の思考プロセスと同じような形で動作する
プログラム、あるいは人間が知的と感じる情報
処理・技術といった広い概念

===================

有り体に言えば、人間の代わりにいろいろ
考えたり動いたりしてくれる情報技術と
いったところでしょうか。

ところで、このAI、教育現場にもさまざま
な影響を与えています。

特に目に付くのがAIを使った不正行為。

これを私は、「AI不正」と呼んでいます。

その最たるものが「AI作文」。

日本語教員試験にも出題されたようですね。
(私は受けていないので、分かりませんが)

具体的には、スピーチ原稿や作文を自分で
書かず、

Chat GPT
https://chatgpt.com/

等を使ってAIなどに代筆させ、

それを、さも自分が書いたかのようにして
課題をこなすというもの。

あるいは、そこまでしなくても、

例えば、作文原稿を自分の母語で書き、
それを翻訳サイトで翻訳して、原稿を
作成するなどです。

こうした現象は、外国人学習者に限った
ことではなく、

例えば、日本人大学生にもある現象。

いろいろご意見があると思いますが、
まずは、相手(=学生)の言い分に
耳を傾ける必要があるでしょう。

例えば、こんな記事があります。

〈大学崩壊〉6割の大学が定員割れで
「頼みの綱は留学生」…現役教員が
”学力の低下”以上に問題だと思った
「ある光景」
https://00m.in/KSQpG

ここで、こんな記事が紹介されています。

====================

取材したのは、大手予備校の入試難易度予想
で偏差値35〜40に分類される大学に通う現役
の学生たちだ。

「大学って、勉強がすべてじゃなくないです
 か? むしろ、バイトや一人暮らし、いろ
 んな人との交流とか、そういう“人生経験”
 を積む場所だと思っています。

 就活でも、学業の成績よりバイトやサーク
 ルでの経験のほうが評価されるし、どれだ
 け勉強したかよりもコミュニケーション能
 力が求められるじゃないですか。

 コミュニケーションも立派なスキルだし、
 社会に出たら学問よりも役立つと思ってい
 るんで」(都内私立大学3年生・男性)

「『大学くらいは卒業しておかないと』って
 思ったのと、まだ青春を楽しみたいって気
 持ちで進学しました。

 別に全員が学問を修めたいわけじゃないと
 思うし、むしろ人生において大事なことっ
 て、勉強以外で得られると思っているの
 で……」(都内私立大学2年生・女性)

(中略)

「ウチの大学は、レベルが低いと思います。
 それはもう自分でもわかっているんで、
 生き恥だけど受け入れています(笑)。

 課題をやるにも、WikipediaとかChatGPT
 を参考にしている奴が普通にいますから
 ね。

 この辺には優秀な大学も多いんで、歩く
 ときは、さもそっちの学生みたいな顔し
 てます(笑)」
      (都内私立大学3年生・男性)

====================

大学教員の私としては、

「どう考えようか自由だけど、期末試験や
 レポートの出来が悪ければ、容赦なく
 単位は出さないけど、いいね。

 単位が足りなかったり、必修科目の単位
 が取れなかったら卒業できないけど、
 それでもいいんだね。」

と言いたくなります(苦笑)

ただ、こうした学生の感覚は、日本人学生
だけではなく、少なからぬ留学生にも広がっ
ているのではないかと思います。

こうした状況に対して、大学教員として
10年以上のキャリアを持つA氏は、こう話し
ます。

====================

「今は“大学全入時代”みたいな状況で、
 10〜20年前なら大学に進学できるレベルに
 なかった子たちが、簡単に入学できるよう
 になっていて。

 そもそも、勉強したり、本を読んだり、物
 事を深く考えたりする習慣がないまま大学
 に来ているんですよ。

 有名大学でも、この1〜2年はかなりひどい
 です。

 たしかに、上位の大学のほうが勉強のでき
 る学生が多いかもしれませんが、全体的に
 見ると、学生のレベルが明らかに下がって
 いる気がします。

 今の偏差値70は、10年前なら偏差値60以下
 のレベルかもしれません。

 早慶やGMARCHのような大学も、学力のレベ
 ルを維持しようと思ったら、うかうかして
 いられないのかなと」(A氏)

====================

なるほど、偏差値の低い大学に限ったことで
はないんですね。

教育界や産業界では、ずいぶん前から

「コミュニケーション能力の向上」

という言葉が叫ばれてきましたが、

それが必ずしも理想通りにはなっていない
ということは言えるかと思います。

では、こうした事態にどう対処すればいい
のでしょうか。

続きは次回に。


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