和式トイレがわからなかった留学生の話−祝!『日本総論I』第4版出版!
来日直後の初級から初中級の学習者
向け日本事情教材。
『日本総論I−日常生活と日本の輪郭』
https://www.kanjifumi.jp/teacher/generalstatement/
が、約10年ぶりに改訂。
第4版を出版することになり
ました(^0^)/
いや〜、難産でした。
改訂作業に3年かかりました。
私たち日本語教師は、教室内での日本語
指導のみに注意が行きがちですが、
当の学習者は、教室に到着するまでに
さまざまな文化的ハードルやカル
チャーショックを経験しています。
例えば、10年ぐらい前の話。
別府大学日本語課程の先生が、
「最近、施設の和式トイレの汚れ
が激しい。」
ということで、
『日本総論I』の中にある
和式トイレの使い方を示した写真を
拡大コピーをして、教室の後ろの
壁に貼っておいたそうです。
そうしたところ、休み時間にその
写真の周りに黒山の人だかり。
数人のスリランカ人がシンハラ語で
話しながら、ずっとその写真を見て
いたのだそうです。
きっと、和式トイレの使い方が
わからなかったんでしょう。
それ以来、施設のトイレの汚れが
激減したとのこと。
和式トイレの使い方など、日本人に
面と向かって言えないでしょうから、
さぞかし困っていたに違いありません。
私の経験上、そんな話は枚挙に暇が
なく、
▼片側3車線の一番右側の車線を自転
車で走り、しかも赤信号を無視して
右折して対向車線と衝突した女子学生
▼ごみの分別がなかなかわからず、
地域住民からクレームを受けた男子
学生
▼民間アパートに入居した翌日大家と
直談判をして引っ越しした女子学生
▼日曜日に大けがをしたのに、どこの
病院も休診であることに激怒した
男子学生
などなど。
これだけ彼らは、さまざまなカルチャー
ショックを経験しているにもかかわらず、
私たち日本語教師は教室内での日本語
指導だけを考えていていいんですかね、
という話。
「私も学生の生活指導や日本事情教育
をどうすればいいのか困っている。」
という方。
6月に下記セミナーを行いますので
ぜひご参加ください。
篠崎大司セミナー
「第4版出版記念!ミニ実習授業あり!
ごみの分別から日本の歴史まで!
来日直後の外国人のための日本事情指導の基本」
(6月23日・30日開催)
https://www.kanjifumi.jp/nihonjijoshido_seminar/