令和5年度日本語教員試験試行試験実施概要(案)を読む。(その3)
前々回から始まった
「令和5年度日本語教員試験試行試験実施
概要(案)を読む。」
シリーズ。
今回は3回目、最終回です。
出典はこちら
文化審議会国語分科会日本語教育小委員会
(第119回)
https://qr.paps.jp/yK1RB
今回は、
「3.参考基準」
を一緒に読んでみます。
以下。
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3.参考基準
3-1.参考基準の設定
本試行試験では、日本語教員試験(本試験)
の合格基準についての検証に役立てるため、
その基準の参考として「参考基準」を設け
ることとする。
また、日本語教員試験(本試験)は、登録
日本語教員養成機関の修了者は試験1(基
礎試験)を免除される仕組みであるため、
試験1(基礎試験)並びに試験2(応用試
験)の選定基準はそれぞれで設定すること
を想定している。
本試行試験は、本試験の検討にあたって参
照されるものと想定されるため、
試験1(基礎試験)並びに試験2(応用試
験)のそれぞれで参考基準を設定する。
3-2.参考基準(案)
本試行試験における参考基準は、養成修了
段階を含めた必須の教育内容に示される基
礎的な知識・技能が網羅的に備わっている
かを判断する目安とする。
なお、分野の特徴と他の国家試験の現状等
を考慮し、目安として参考基準を示す。
<試験1(基礎試験)>
必須の教育内容で定められた5区分におい
て、
各区分で約7割程度の得点があり、かつ総
合得点で約8割程度の得点があること
<試験2(応用試験)>
総合得点で約6割の得点があること
※日本語教員試験(本試験)の合格基準等
については、試験の性格、位置付けを踏
まえた標準的な合格基準等の在り方につ
いて、本試行試験の結果や専門家等の意
見を踏まえて改めて検討する。
4.分析方針(案)
本試行試験の目的に鑑み、 (1)問題の結
果分析 ・検証、 (2)試験運営に関する
検証の大きく2つの観点から分析を行うこ
ととする。
分析にあたっては、現職日本語教師、養成
課程在籍者などの日本語教員試験(本試験)
の受験者となりうる者の中で、
必須の教育内容をおおむね習得していると
考えられる者を中心に、
協力者をバランスよく集められるように協
力依頼を行う。
また、試行試験終了直後に協力者に対して、
試験時間や運営等に関するアンケート調査
を実施する。
5.その他
本試行試験の試験問題については、年度末
に公表予定の試行試験結果報告書(委託事
業報告書)において、解説とともに一部公
表することとする。
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いかがでしょうか。
まず注目したいのは、
「<試験1(基礎試験)>」
の中のこの部分。
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・必須の教育内容で定められた5区分におい
て、
各区分で約7割程度の得点があり、かつ総
合得点で約8割程度の得点があること
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一瞬、ドキッとした方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。
ただ、ここは実際にふたを開けてみなければ
分らない部分だと私は思います。
つまり、これだけのハードルを設けて、
万が一、合格者が想定よりかなり低くなった
場合、
あるいは、このハードルに恐れをなして
そもそも受験者が減ってしまった場合、
「日本語教師の質と量の確保」を掲げる
国策を阻む大きなボトルネックになって
しまいます。
なので、この辺りは、ひとまず希望だけ
書いておいて、後は様子見といったところ
なのではないかと思います。
とはいえ、全区分まんべんなく得点できる
ことに越したことはなく、
従って、やっぱりしっかり勉強することに
かわりはないわけですね。
続いて、注目したいのは
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本試行試験の試験問題については、年度末
に公表予定の試行試験結果報告書(委託事
業報告書)において、解説とともに一部公
表することとする。
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の部分。
試行試験問題が公開されれば、篠研も
真っ先に分析に入ろうと思います。
ただ、篠研の通信講座はすでに「必須の教育
内容」を完全網羅していますので、
概ね想定の範囲内の出題かと思います。
気になるのは、やはり試験2の音声問題
ですね。
ここはしっかり分析したいと思います。
いずれにしても、来年受験予定の方は
今から勉強するのが吉。
善は急げ
思い立ったが吉日
四の五の言わずに即行動
何事も
「先んずれば人を制す」
のです。