連濁(講義資料No.016 語彙論概説より)

先日改訂した

【WEBで学ぶ通信講座
 「篠研の日本語教育能力検定試験対策」】
 https://www.kanjifumi.jp/become/distancelearning/

の講義資料「No.016 語彙論概説」で

「連濁」

の加筆部分を含んだ一節をご紹介します。

連濁は、検定試験でもよく出題されます。

しっかりインテイクしてくださいね(^_^)

以下。

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連濁

 複合語に関わる音韻現象として、連濁があります。

これは、「2つの語が結合して新しい語(複合語)
をつくるとき、構造要素の初頭モーラ(拍)が濁音
化する現象」(日本語教育学会編(2005)p.18)で、

例えば、「本(ほん)」+「箱(はこ)」=「本箱
(ほんばこ)」などがそれにあたります。

連濁は多くの言語で見られますが、日本語の場合
「本箱」のようにハ行音がバ行音になるケースが多
いのが特徴です。

 しかしながら、連濁はすべての複合語に起こるわ
けではありません。連濁には以下のような特徴があ
ります。

(18)1.漢語や外来語では連濁は起こりにくい。
     例:田舎風、胃カメラ
   2.和語であっても、後部要素にすでに濁音
     を含む場合起こりにくい。
     例:値札
   3.前部要素と後部要素が並列的に結合する
     複合語では連濁は起こらない。
     例:「嫌い」における「食べず嫌い」
     (修飾-被修飾関係)と「好き嫌い」
     (並列関係)
   4.格関係がある場合は連濁を起こしにくい。
     例:「稲刈り」(「稲」を「刈る」)
   5.人名や地名では、連濁にゆれがある場合
     がある。
     例:「山崎」(やまさき/やまざき)

 特に(18)2のような濁音の連続を嫌う現象を、
その発見者にちなんでライマンの法則(Lyman’s Law)
と言います。

ただし、これには例えば「縄梯子」のような例外も
あります。

 また、(18)5のようにとりわけ人名や地名では
連濁にゆれがあるので、指導の際には学習者に伝え
ておく必要があります。

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いかがでしたか。

それにしても、

「ライマンって、誰?」

と思いませんか。

「そんな日本語研究家、聞いたことない。」

「どうして、外国人がこんなニッチなこと
 知ってるの?」

そう思われた方もいらっしゃるかもしれま
せんね。

実は、ライマンは日本語研究家ではあり
ません。

明治時代、お雇い外国人として北海道の
地質調査に来た地質学者なのです。

きっと、仕事柄日本語を学ぶ必要に迫られ、
学んでいるうちに気が付いたのでしょう。

そう考えれば、

「縄梯子」

などという言葉が出てきたのも、頷けますね。

検定試験に出てくる外国人の名前が覚え
にくい時は、

このようなちょっとした豆知識があると
グッと親近感が沸いて覚えやすくなります。

しっかり勉強してくださいね(^_^)


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