キーワード解説「ほ」

これまでの日本語教育能力検定試験に出題されたキーワードを、随時解説していきます。知識の補完・整理にご活用ください。

母音の無声化(ぼいんのむせいか)

に無声子音([k][s][t][h][p])にはさまれた母音が、本来発音されるはずで口の形もそうなっているにもかかわらず、実際には発音されない(=声帯が振動していない)現象のことをいう。

母音が無声化されるのは、母音(特に「イ[i]」、「ウ[ɯ]」)の前後が無声子音か無音の時であり、具体的には以下の3つの場合に起こります。
(下線部分が無声化の起こった部分を示します。)

1.語頭(=前が無音)で、後ろに無声子音が来る場合。例)行った[ itta ]

2.無声子音に挟まれた場合。例)くつした[ kɯtsɯɕita ]

3.無声子音の後ろで、語末や文末、ポーズの前の場合。例)~です[ desɯ ]

例えば、下の例のように母音の無声化が多く起こる表現の場合、この現象に不慣れな学習者の中には「コスコスカスカス」としか認識できないということがあります。

例)国際都市として発達した。
[kok(ɯ)sait(o)ɕ(i)t(o)ɕ(i)tehattats(u)ɕ(i)ta] (( )内の母音が、無声化を表わす。)


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