学習者の日本語力を上げるために最も重要なこと

いよいよ新学期。

授業がスタートしたという方も
多いと思います。

（ちなみに私の大学は10日開講。）

大学や専門学校進学を目指した
多くの日本語学校では、

７月や１２月の日本語能力試験に
向けて、しっかり授業をなさって
いくことと思います。

ただ、ここで気をつけていただきたい
のは、

ゴリゴリに試験対策の授業をしている
からといって、

必ずしもそれに比例して学習者の学力
が上がるわけではないということ。

もし、その学習者が必死で勉強して
いるにもかかわらず成績が上がらない、

例えば、学内テストでは成績がいいが、
学外テストでは成績が悪いようであれば、

いわゆる沈黙期というか、まだ学力が
顕在化する前のタイミングである可能性
がありますので、

その学習者に時々声をかけながら、
もうしばらく様子を見てあげると
いいでしょう。

そもそも、学力というのは学習量に比例
して上がっていくものではなく、

しばらくは勉強しても成績は上がらない
ものの、

ある時を境に一気に上昇するもの。

停滞期の期間は人によってさまざま
ですが、

成長を自覚できるのに、概ね100日と
言われています。

ですので、教師の方も学習者がスパーク
するまでは、辛抱強く指導する必要が
あるんですね。

問題は、今一つ勉強に勢いのない学習者。
あるいは、最初から自信無げな学習者。

こういう学習者は、学習方法ではなく、
メンタルに問題がある可能性が大きい
です。

その中でも特に多いのが、

「自分の日本語に自信が持てない。」

学習者。

自信が持てないので、勉強にもイマイチ
気が入らないのです。

こういう時、教師はその学習者に何を
してあげたらいいのか。

いくら

「勉強しないと進学できないぞ！」

と脅したところで、効果はありません。

そんなことは学習者自身、重々わかって
いるからです。

下手すると、逆に

「はい、私は勉強しても無駄だと思い
　ます。」

と、ますます悪い方向に進んでしまう
でしょう。

こういう場合は、まずその学習者が自信
が持てない理由を聞き出して、

その原因を取り除いてあげることが
最も効果的です。

そして、私の経験上、自分の日本語に
自信が持てない理由で多いのが、

「自分の日本語の発音に自信がない。」

ということ。

特に日本に住む学習者の場合、アルバイト
先や周りの日本人から、

自分の日本語を何度も聞き返されたり、

「何言っているのかわからない。」

などと指摘された経験があるようです。

また、そのような具体的な経験がない
場合であっても、

自分の日本語発音に強いコンプレックス
を持っている学習者は非常に多いです。

試しに担当の学習者に

「日本語の発音に自信がありますか。」

と聞いてみてください。

ほぼいないと思います。

これでは、そもそも日本語の学習に希望
が持てるわけがありません。

逆に、一見試験対策とは関係のない発音
指導をしっかりしてあげれば、

学習者は自分の日本語に自信を持ち、
日本語学習に積極的になって、

結果、日本語力の向上に繋がるのです。

このように言っても、にわかには信じ
られないかもしれません。

一見、無関係のように見えますからね。

ですが、中国の日本語スピーチ大会で
200名以上の優勝者を輩出し、

中国国内でカリスマ日本語教師として
名高い笈川幸司先生にお話を伺った
ところ、

「発音やスピーチ指導をすると、
　発音やスピーチ力だけでなく、

　日本語の成績もどんどん上がって
　いくのです。

　日本語能力試験対策の授業をして
　いるわけでもないのに、

　N1とかN2とかにどんどん合格して
　いくんですね。

　これは、発音がよくなることで、
　学習者が自分の日本語に自信を
　持ったからだと思います。

　指導者として一番大事なことは、
　学習者に自信を持たせることなん
　だと、私はこの時気づきました。」

なるほど。

学習者に自信を持たせること。

「もしかしたら、知らず知らずのうちに
　メンタルを棄損させるような言葉を
　私たち日本語教師も学習者に浴びせて
　はいないだろうか。」（自戒）

ただ、ここで大事なことは、ただ発音
指導をすればいいということではあり
ません。

【学習者自身が効果を実感でき、
　自分の発音に自信が持てるような
　発音指導をすること。】

これが重要です。

確かな指導ノウハウもなしに、ただ

「はい、私の言うとおりに発音して
　ください。」

というような練習では逆効果。

「やっぱり、私はできません。」

となってしまいます。

そこで、先般よりご紹介しているのが
笈川先生のこの講座です。

篠研企画　笈川式日本語発音スピーチ指導法講座
【初級編　全５回】第２期
https://www.kanjifumi.jp/oikawa_speech_syokyu/

笈川先生が10年以上かけて開発した指導法で
発音指導をすれば、

担当の学習者の発音が劇的に改善される
ばかりか、

自分の日本語に自信を持ち、

結果、日本語力全般の向上を期待する
ことができます。

「学習者の日本語力を何とかしてあげたい。」

という方に強くお勧めします。