自己投資をしない教師を学習者は信頼するか。

「日本語教師として就職するまでは
　収入がないわけだから、

　できるだけお金をかけずに検定試験
　に合格したい。」

その気持ちはよくわかります。

ただでさえ、物価高騰。
電気代の大幅な値上がり。

にもかかわらず、それに見合うほど
増えない収入。

そういう中でも、

「何としても検定試験に合格したい。」

という志で最初の一歩を踏み出したと
すれば、

すなわち試験勉強を始められたとすれば、

たとえそれが、最小限の出費から始め
られたとしても、

極端な話、ネット情報だけで勉強して
いるとしても、

それはそれで、とても素晴らしいことだと
思います。

ほとんどの人は、それすらしないで、

できない理由を並べるだけ並べて、
行動しない理由を周りのせいにしている
から。

ただ、ここでひとつ考えていただき
たいのは、

「もし自分が学習者だったら、自己投資
　をしない教師を信頼・信用するか。」

ということ。

例えば、日本国内の日本語学校の場合、

平均的な学費は２年間で130万円から
150万円です。

国によって経済状況は異なりますが、

中には、私財を売ったり、親親戚から
お金を借りたりして工面する学習者
もいます。

また、すでに国で働いていた学習者は
仕事を辞めて来日するわけですし、

国に家族や小さい子どもを残して来日
する学習者もいます。

人生を賭けて来日してきているわけ
ですね。

もし、あなたが海外留学するとして、

貯金を全部はたいて、私財を売って、
親親戚に頭を下げてお金を借りて、

やっとの思いで留学先の語学学校へ
入学したものの、

担当の教師が授業の最初に開口一番、

「私は教師になるためにほとんど
　お金を使いませんでした。

　今後も専門の勉強のためにお金を
　使うつもりはありません。

　ネットの情報で何とかなります。」

と言ったら、どう思いますでしょうか。

「おいおい、大丈夫かよ。
　っていうか、こっちは私財はたいて
　人生賭けて来てんだよ。」

と、かなりの不信感を持つのではないで
しょうか。

実際、現場に立つとわかりますが、
たとえ上記のようなことを口に出さなく
ても、

学習者は、

「この先生、相当勉強しているな。」

とか、

「この先生、何にもわかってない。」

というのは、すぐ分かります。

なぜなら、他の教師やこれまで指導を
受けてきた教師と比べられるからです。

それは、単に経験値とか指導スキル
とかいったことだけではなく、

「私達学習者の期待に応えるだけの
　教師としてのマインドと、それに
　見合った勉強をちゃんと積み上げて
　来たか。」

ということを、教師の一挙手一投足に
敏感に感じ取るんですね。

驚くほど、透けて見えています。

だから、教師はしっかり自己投資をして
勉強をしないといけないんですね。

とはいえ、ただお金をかければいい
というわけではありません。

例えば、検定試験対策１つとっても、

「３か月で楽々合格。」

などと、ただ試験に合格するためだけの、
小手先の勉強方法を謳ったものに飛びつく
のは愚の骨頂。

充分な経験値を持った講師のもと、

検定試験合格はもちろんのこと、
現場に立ってからこそ活きる知識を
提供してくれる

【確かなサービス】

にしっかり自己投資することが重要です。

いくら試験対策とはいえ、現場で役に
立たない知識をいくら身につけても、

結局何の役にも立たず、学習者から
信頼されないのは目に見えているので。

ここの目利きで、日本語教師ライフの
ほとんどが決まるといっても過言では
ないのです。