ガチ中華急増と要日本語指導児童生徒増加に通底するもの。

昨日のNHKのクローズアップ現代を
ご覧になりましたか。

なぜ急増？“ガチ中華”新時代の
日中関係に迫る
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4715/

「ガチ中華」とは、いわゆる日本人向けの
「街中華」と異なり、

本場の味をそのままガチで提供している中華
料理店のことです。

都内では、そんな中国料理店が急増、
300軒にのぼるのだそうです。

その理由は在住中国人が増えているから。

つまり、ガチ中華を支えているのは、
日本人だけでなく、日本に住む中国人
なんですね。

では、なぜ来日する中国人が増えている
のでしょうか。

NHKサイトでは以下のように解説しています。

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急増の謎をひもとくと、中国社会の知られざる
変遷が明らかに。

熾（し）烈な受験戦争や就職戦線、“頑張ら
ない若者”の増加…。

中国の若者たちは日本の価値観や終身雇用など
雇用環境に共感、来日するケースが増えています。

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生きにくくなった中国を捨て、居心地の良さ
を求めて日本に来るんですね。

来日した中国人は、留学生も就労者もいる
わけですが、

留学生も、卒業後できれば日本に残って働き
たいという学生が多いそうです。

ところで、

先日、文部科学省から下記発表がなされました。

「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関
　する調査（令和3年度）」の結果が確定しました
　　　　　　　　　　　　　　　　　：文部科学省
　https://bit.ly/3saIUmC

日本語指導が必要な児童生徒数は、実に58,307人。

平成24年以降、増加の一途を辿っています。

ただ、この数字はあくまでも公立学校に通う
児童生徒のみ。

私立学校を含め、さらに、現場ではBICSがクリア
になればCALPに問題があっても日本語指導は不要
と判断されている可能性があることから、

実際は、この倍以上の児童生徒がいると考えられ
ます。

私がここでお伝えしたいのは、その背景。

まさか、児童単独で来日するわけではなく、
ほとんどの場合、親の仕事等の都合で来日
すると。

つまり、増えているのは日本語指導が必要な
児童生徒だけでなく、

日本語指導が必要な親もまた増えていると
考えられるのです。

これと先の「ガチ中華」の話を統合して
みると（まるで日能試の統合問題）、

今の日本は、急速に外国人就労者とその
家族が増えているということが見えてき
ます。

今、私は「外国人就労者」とひとくくりに
言いましたが、

就労が認められている在留資格は以下の
ようにかなり多岐にわたります。
（以下、就労系在留資格）

▼外交　外国政府の大使、公使、総領事
▼公用　大使館・領事館の職員や国際機関等
　　　　から公の用務で派遣された方
▼教授　大学教授
▼芸術　作曲家、画家
▼宗教　宣教師
▼報道　記者、カメラマン
▼高度専門職　ポイント制による高度人材
▼経営・管理　経営者、管理者
▼法律・会計業務　弁護士、公認会計士
▼医療　医師、歯科医師、看護師
▼研究　研究者
▼教育　語学教師
▼技術・人文知識・国際業務　機械工学等の
　　　　技術者、通訳、デザイナー、マーケ
　　　　ティング業務従事者
▼企業内転勤　外国事業所からの転勤者
▼介護　介護福祉士
▼興行　俳優、歌手、プロスポーツ選手
▼技能　調理師、パイロット、貴金属の加工
　　　　職人
▼特定技能　特定技能外国人
▼技能実習　技能実習生

また、一部就労が認められている在留資格
に「特定活動」があります。

さらに、身分系在留資格と呼ばれている
下記資格も就労が認められています。

▼永住者　永住の許可を受けた人
▼日本人の配偶者等　日本人の配偶者、子供
▼永住者の配偶者等　永住者の配偶者、子供
▼定住者　第三国定住難民、日系3世、中国
　残留邦人

しかも面倒なのは、これまで何度もお伝え
してきましたが、

在留資格によって、就労の範囲や条件が
異なるということです。

従って、日本語教師は彼らに適切なアドバ
イスをするためには、

それぞれの在留資格でどのような就労上の
制約があるかということを、

大雑把でもいいので理解しておくことが
重要なのです。

実際、日本語学校でもプライベートレッスン
でも、現場に立てば学習者からさまざまな
進路上の相談を受けます。

「留学生でも特定技能の在留資格がとれ
　ますか。」

とか、

「今の在留資格から『経営・管理』に変更
　したいができるか。」

など。

この時に、誤ったアドバイスをしてしまうと
最悪強制帰国になってしまうのです。

もしもそのようなことになってしまえば、
今まで積み上げてきた日本語教師としての
信頼が一気に崩れてしまいます。

ご存知の通り、外国人の口コミ力は
非常に強力ですので、

そのような情報は一気に広まってしまう
でしょう。

結果は推して知るべし。

そこで、先般よりご案内している

篠研企画　村崎 加代子オンラインセミナー
「日本語教師のための在留資格法令
　－法的知識に沿った適切な進路指導をするために－」
　　　　　　　　　　　　　　　　（10月29日開催）
https://www.kanjifumi.jp/murasaki_zairyusikaku_seminar/

私が「ぜひご参加ください」と声を大にして
お伝えしている真意をご理解いただけました
でしょうか。

「担当の学習者に法的知識に沿った
　正しい進路指導をしたい。」

「誤ったアドバイスで、今まで築いてきた
　信頼を失いたくない。」

という方は、ぜひご参加いただきたいと
思います。