幸運は用意された心のみに宿る。
パスツールの言葉に、
「幸運は用意された心のみに宿る」
というのがあります。
幸運というものは、ある日突然
棚ぼた式にやってくるのではなく、
普段からそれを手にするための
用意（＝努力）をしてきた者だけ
が手にすることができる、
という意味です。
ですので、要は、
「日本語教師として臨むライフ
スタイルを手に入れたいのであれば、
手に入れられるよう、普段から用意
（＝努力）しておいてくださいね。」
ということになるわけですが、
これを意識している人は、案外少ない
ようです。
多くの人は、
「必要になったら、その準備をする。」
という発想。
ですが、実際のところ、必要になってから
準備を始めても、多くの場合、遅すぎる
のです。
例えば、日本語学校の就職面接をする
として、面接担当者から、
「ところで、●●さん、日本語能力試験
の対策授業はできますか。」
と、唐突に言われたとします。
この時、準備をしていなければ、
「すみません。やったことがないです。」
としか言えません。
ですが、もし普段から用意をしていて、
「実際に授業をやったことはありません。
ですが、勉強会などにも参加してきまし
たので、指導方法はわかります。」
と言えば、面接担当者の印象はかなり良く
なるでしょう。
多くの場合、面接担当者は単に授業スキ
ルを聞いているだけでなく、
目の前の教師が普段からどれだけスキル
アップにリソースを割いているか、
言い換えれば、どれだけ伸びしろがあるか
を見ているのです。
とりわけ日本語教育界は変化が激しい業界。
オンライン授業スキルや、「介護の日本語」
指導など、
その時その時に応じて、さまざまなスキル
が求められます。
なので、教育機関としては、
「常に積極的に学び続ける教師。
変化に対応できる教師。」
が欲しいのです。
十年一日、昔養成講座で学んだ知識に
しがみついているだけの教師は、
本メルマガでいうところの「化石化教師」。
どんどん仕事の幅を失ってしまうのです。
そもそも、人間の脳には、
「現状維持バイアス」
という仕組みがあります。
これは、できるだけ変化しないで、現状
維持を保つように思考する傾向のこと。
なぜそのような仕組みがあるかというと、
新しいことをするためには、余計な
エネルギーが必要だからです。
長生きするためには、普段からエネルギー
消費量をできるだけ抑えたほうが得策です。
現状維持は、余計なエネルギーを使わない、
言い換えれば、楽で、ある意味リスクの
少ない生き方なんですね。
もしあなたが、
「できれば、あまり変わりたくない。」
という思考があるとすれば、それは脳の
仕組み上そうなっているということなんで
すね。
ですが、現状維持を続けていると、何か
変化が起きた時にすぐに対応できないという
リスクがあります。
「コロナ禍になって、オンラインスキルが
なかったので、教師を辞めざるを得なかっ
た。」
などは、その典型例です。
だから、下手でもいいので学び続けると
いうことが重要なのです。
とはいえ、一気に変わることはできません。
なので、普段から少しずつ少しずつ勉強して、
来る変化に対応できるよう、幸運を掴めるよう、
準備をしておく必要があるのです。
私篠崎が、日々
日本語能力試験N2対策指導法講座
－科目別指導のポイント－（10月16日開催）
や
篠研の日本語教師力 大躍進年間プログラム
をご案内して、皆様の背中を押し続けて
いるのも、
「常に積極的に学び続ける教師。
変化に対応できる教師。」
を志向しないと、教師としての寿命を縮めて
しまうことになりかねませんよ、
とお伝えしたいから。
これが、20年以上この業界で生きてきた私
篠崎の結論です。
「幸運は用意された心のみに宿る」
息の長い日本語教師を目指すためにも、
普段からしっかり用意する行動をとってみては
いかがでしょうか。